「Blacksmith」は、Windowsパソコンの操作環境をカスタマイズするためのソフトだ。注目してほしいのは「ランチャやファイラを好みのもの変える」といった局所的な変更ではなく、もっと深い意味でのユーザインタフェースを提供しようとしているところ。具体的には、OS X LionやAndoroid──あるいはスマートフォンやタブレット──に近い操作感を取り入れている点にある。
ご存知の通り、スマートフォンではタッチスクリーンを使って、指で操作するのが当たり前。ユーザインタフェースもそれを活かすための設計がされている。OS Xでもタッピングやピンチ、スワイプなど、指での操作が特徴となっている。
一方、Windowsパソコンはまだまだ従来通り、キーボード+マウスによる操作がベースだが、そこに「Blacksmith」を組み合わせることで、最新のルック&フィールに近づけることができるのだ。
これは単に「流行りものを真似しよう」というわけではない。以前のように「あくまでパソコンが主で、それを補うためにタブレットやスマートフォンを使う」という図式はすでに崩れ、今後は逆に「まず、スマートフォンの操作を覚え、あとあとパソコンも併用する」というルートが当たり前になるだろう。
そんなとき、「すでに親しんだ方法でパソコンも操作したい」と思うのはごく自然の成り行き。つまり「Blacksmith」には「性格や用途の異なるデバイスの操作感覚を近づけることで、学習の負担を減らす」といった効果も期待できるのだ。
では、「Blacksmith」とはどんなソフトなのか、その機能と実際の使い方を見てゆこう。
(福住 護)