国土交通省、国土地理院が公開する地図データから、CADソフトなどで使用できる、高精度な地図を作成できるソフト。「MapDxfMaker」は、国土交通省が提供する国土数値情報や、国土地理院が提供する基盤地図情報といった地図データから、DXF形式の地図を作成できるソフト。利用できる情報の豊富さと高度なカスタマイズ機能とにより、単なる線画による地図だけにとどまらない、多彩な地図を作成できる。地図はレイヤ分けされて作成され、あとからさまざまな処理・加工を行うことも可能だ。
基盤地図情報や国土数値情報には、日本国土の地形、標高情報といった純粋な地形データのほか、都道府県や市町村域といった行政区画の情報、湖沼や河川の情報、道路・鉄道、建物などの建築構造物データなど、さまざまな情報が含まれ、いずれも無償でダウンロードできる。「MapDxfMaker」では、ダウンロードした地図データを読み込み、必要な項目を抜き出した上で、他のアプリケーションでも読み込み可能な地図を作成できる(「AutoCAD」および「Jw_cad」での表示を確認しているという)。「MapDxfMaker」のメイン(設定)画面上には「国土地理院 地図データダウンロード」などのボタンが用意され、ダウンロードページに簡単にアクセスできるようになっている。
作成できる地図は(用意した地図データの種類によるが)、
- 都道府県境のみを描画する行政区画図
- 等高線を含む地形図
- 道路や建物の形状まで含む道路地図
- 鉄道路線と人口集中地域との関連図
- 窪地のみに着色する窪地図
など。地図に表示される項目を変更することで、さまざまな種類の地図を作成できる。地図の範囲や地図に表示される項目の変更・選択も簡単に行える。地図の範囲は、座標を数値で指定したり、行政区画(都道府県境や市町村境)が描画された地図データを用い、マウスで指定したりすることが可能。表示される項目は、地形図、行政区画、道路、河川、建築物など、元の地図データに含まれる項目ごとに自由に選択できる。選択した項目は個別のレイヤとして出力され、DXFファイルを読み込んだ側のアプリケーションでも表示のON/OFFを切り替えることができる。
標高ごとに面で着色するタイプの地図を出力することも可能。着色時の段階数や彩度もカスタマイズできる。山岳部などの特殊な地形向けに、標高を均等割りするのではなく、色を変える標高自体をカスタマイズすることも可能だ。
「AutoCAD」向けに作られた特殊機能「標高コントローラ」「録画コントローラ」もある。「標高コントローラ」は、ユーザが選択したある特定の標高より低い部分に着色する機能。例えば「海水面が上昇したら、どのエリアまで水没するか」を調べるような場合に使える。「録画コントローラ」では、「AutoCAD」上で標高コントローラを操作した際の画像の変化などを動画ファイルとして記録できる(使用するには別途、「AutoCAD」が必要)。