ソフトを開発しようと思った動機、背景
Webで利用できる地図はほとんどがラスター形式で、拡大するとぼやけてしまいます。国土地理院が公表しているベクトルデータは精密で拡大しても劣化しませんが、対応ソフトウェアの使い方を覚えるのは大変でした。そこで、CADが使える人なら誰でも無料で国土地理院のデータが利用できるソフトを開発しました。開発中に苦労した点
DXFの規格を勉強するのが意外に大変でした。また1回のテストランに時間を要する上、多くの設定パターンがあり、各OSで動作を確認するのは大変でした。一応、標高自動設定や地図上での範囲指定など、使いやすさに配慮したつもりです。
ユーザにお勧めする使い方
類似ソフトと大きく異なる点は、単なるデータの変換ソフトではなく、
- 地図作成機能を持つこと
- 高潮や津波など浸水範囲の簡易シミュレーションができること
- 窪地抽出により、豪雨浸水の危険性を知ることができること
などです。防災支援機能に配慮していますので、個人の場合は自宅や職場、避難場所の水害の安全性の確認、自治体やコンサルタントの場合は高額なシミュレーションを行う前の簡易な検討ツールなどにお使いください。昨今、津波災害の見直しが急がれておりますので、時間のかかる本格的なシミュレーションの前に、いますぐ無料で被害範囲の想定が可能なこのソフトをご活用ください。防災支援にとどまらず、一般的な地図作成のツールとしてもお使いいただけます。CADにより作成後にも自由に修正が可能です。
今後のバージョンアップ予定
CADを使えない方には非常に難しいソフトになります。誰でも使えるビットマップ形式の地図ソフトを開発中です。
(森田 伸二)