「地図」といえば、普通は書店などで購入してくるものと相場が決まっている。しかし、わざわざ購入しなくても、誰でも利用できる公的な地図データが存在する。国土地理院や国土交通省が提供する「数値地図情報」だ。国土地理院は主に地形図など、測量をもとにした詳細な地形データを提供し、国土交通省は道路や鉄道、人口分布、都市計画など、地形にまつわるさまざまなデータを提供する。いずれも国の公的機関が提供するデータで、信頼性は確か。ただし問題となるのが、誰が見てもすぐにわかる形式のデータではなく、利用者側で何らかの処理を行うことが必要な「数値情報」であること。この時点で、利用できる人はある程度制限されてしまう。
「MapDxfMaker」は、こうした数値情報を利用する際の制約を一気に解消してくれるソフトだ。数値情報をダウンロードしてしまえば、そこから地図の出力までは本当にあっけないほど簡単。処理するデータ量が多いため、地図の作成にはそれなりの時間はかかるが、それでも待っているだけで、誰でも高精度な地図データを無料で簡単に作成できる。仮にユーザが戸惑うとすれば、「MapDxfMaker」の操作よりもむしろ、元となるデータのダウンロードや、作成されたDXFデータを表示するためのアプリケーションの準備の方だろう。
ここまでのデータ、そしてここまでの機能を持つソフトが無料で手に入るのは、本当にすばらしい。応用方法はさまざまだろうが、地理情報を活用したいと思うのであれば、ぜひとも使ってみてほしい。
(天野 司)