表現力豊かな音声を誰でも簡単に作成できる“音声創作”ソフト。HMM(Hidden Markov Model:隠れマルコフモデル)音声合成方式により、自然な音声を作れる。「CeVIO(チェビオ) さとうささら トークスターター」は、ユーザの指定した漢字かな混じり文章を自然な合成音声で読み上げてくれるソフト。入力した漢字かな混じり文章がそのまま読み上げられる「トーク」機能と、指定したメロディ・歌詞で歌声が合成される「ソング」機能とを備えた「CeVIO Creative Studio S」シリーズの一本で、トーク機能とトーク機能向け女声ボイスデータ「さとうささら トークボイス」で構成される。
2016年9月には音声創作ソフト本体(エディタ)「CeVIO Creative Studio S」の新バージョン「5.0」が正式公開。セリフクリップ機能が追加され、調整したセリフを簡単に再利用できるようになったほか、トークエンジンと辞書、ボイスが更新され、読み上げ精度が向上した。セリフリストでは選択行の切り取り、コピー、貼り付けが可能になった。そのほかにも数多くの機能追加・強化が行われ、合成される音声の品質やソフトの使い勝手が大きく向上した。
会話文を読み上げるトークエンジンでは、辞書が改善され、単語認識の精度が大幅に向上した。トーク用ボイスも改善され、より自然な読み上げ結果を実現。ソングエンジンでも全ソングボイスが更新された。さらには音と音の繋がりを持たせるスラーの効果が強化され、より自然な歌声を合成できるようになった。バックグラウンドのホワイトノイズを減少させ、よりきれいな再生音質を得ることができる。
エディタ機能も大幅に強化された。(外観は従来バージョンと大きく変わる点はないが)タイムコードや再生コントロールが搭載されたツールバー「トランスポート」が、ウィンドウの上段・中段・下段に移動できるようになった。トランスポート内の表示内容も従来の左寄せ表示が、センタリング表示や右寄せ表示にも対応した。ソングの編集画面「ピアノロール」は、6種類から色調を変更できるようになっている。
編集関連では、セリフリストでのコピー&ペースト機能が強化され、複数行のセリフをまとめてカット&ペーストできるようになるなど、より効率的な編集が可能になった。セリフのテキストをカット&ペーストするのではなく、発生パラメータなどが調整されたセリフそのものをクリップする機能が追加され、調整済みのセリフを再利用できる。
セリフの入力後、ただちに自動再生が開始される機能も備える(自動試聴)。いちいち再生ボタンを押す手間が省かれるのはもちろん、合成音声による「リアルタイム実況」用途にも使える。ソング機能にも同様の機能が追加され、音符入力後や移動後、ユーザが特に操作をしなくても自動的に再生が開始される。
ソング機能では強弱記号に対応。指定位置からの発声を自然に強めたり、弱めたりできる。セリフのクリップ機能と同様、ソング機能でも、指定した範囲の歌詞や音符だけでなく、調整値、テンポの指定、強弱記号などの情報をまとめて選択し、コピー&ペーストできるようになった。入力した音符情報のMIDIデータでのエクスポートにも対応し、外部アプリケーションでも簡単に利用できる。
また、MIDIファイルからの直接読み込み機能も搭載する。歌詞情報を含むMIDIファイルにも対応し、歌詞入りMIDIファイルであれば、ユーザが手動で歌詞を設定する必要がない。
そのほかにも、
- ソング入力時の入力位置表示(ガイドカーソル)
- 小節単位でのタイムライン表示
- キャラ画像表示のキャスト連動
- キャラ画像表示位置へのユーザ画像の表示
などが可能になった。時間がかかる音声データの書き出し時に、タスクバーアイコンに進捗状況が表示されるなど、使い勝手も大幅に向上した。