前回、「CeVIO さとうささら トークスターター」をご紹介したのは2014年12月のこと。1年9ヵ月ぶりにご紹介するわけだが、メインとなるエディタ画面を見ると、前回画面との違いがほとんどわからない。特に、何も設定していないデフォルトの状態では「何も変わっていないのでは?」と最初は思えた。しかし、実際に使ってみて、機能面・性能面で大きな違いがあることに、すぐに気づいた。何も変わっていないと思えたエディタでは、画面上部左側に固定だった「トランスポート」が、位置を移動できるようになっている。前回はあまり疑問に思わなかったが、例えばフルHDやそれより広い画面で利用できる昨今の環境では、位置を固定されるとマウスの移動量が大きくなりすぎて、不便に感じられるところが改善されている。
話者によって、画面上のキャラグラフィックが連動して切り替わるのも、使ってみてはじめて気づくこと。ボイスを切り替えることができるにもかかわらず、常に同じキャラ画像では違和感を覚えるところだが、この点が改善された。
ピアノロールの編集画面でガイドカーソルが表示できるようになったこと、セリフ編集で複数テキストを一括処理できるようになったこと、同じくソング機能でも複数要素をまとめて移動できるようになったことなども、操作効率の向上に大きく寄与している。
これらの機能強化はいずれも、実際に使ってみて「なるほど」と思わせてくれるものばかり。要はユーザの要望をきちんと取り入れているからこそできる改良であり、「なるほど、ユーザとともに進化してきたソフトなのだなぁ」と実感させられる。機能も性能もブラッシュアップされた音声・歌声合成ソフトとして、ぜひとも多くの方に使ってみていただきたい。
(天野 司)