ハッシュ値を利用して、バックアップファイルが破損していないかどうかを確認するためのソフト。「ファイルが更新されていないか」「バックアップファイルとオリジナルは同一か」といったことを確認できる。「猜疑心に満ちた目でファイルを見守るツール」は、データの破損や更新、改竄などがないかどうかを、あらかじめ取得しておいたハッシュ値と比較することでチェックできるソフト。重要なデータの喪失を避けるには“2台の外付けハードディスクにコピーしておけばいいじゃないか”との考え方で作成され、
- 指定フォルダ内ファイルのハッシュ値の一括取得
- 取得したハッシュ値の比較
- ファイルの正当性の確認
を行うことができる。基本的な原理は、(1)(同一構成の)二つのフォルダ内ファイルのハッシュ値を取得し、(2)それぞれのハッシュ値を比較することにより、両フォルダが一致しているかどうか=正しくバックアップが行われたかどうかを判定するというもの。さらに、同一フォルダの保存済みハッシュ値と新たに取得したハッシュ値とを比較することにより、ファイルが更新されたり、改竄されたりしていないかをチェックすることができる。
実際に利用するには、メイン画面のリストでファイルを選択して右クリックし、表示されたコンテキストメニューでコマンドを実行する。使用するコマンドは、フォルダ1のファイル、フォルダ2のファイルそれぞれを対象にした「変更をチェックする」「ハッシュ値を更新する」。「変更をチェックする」では、新たなハッシュ値を取得して、保存済みのハッシュ値と比較する。「ハッシュ値を更新する」では、保存済みのハッシュ値新たに取得したハッシュ値で置き換えられる。
コンテキストメニューではそのほかにも、保存されたハッシュ値を削除したり、処理を中断したりすることも可能だ。
設定画面では、ハッシュ値の計算に使用されるアルゴリズムを7種類(MD2、MD4、MD5、SHA1、SHA256、SHA384、HA512)から選択できるほか、ディスクI/Oの多重度や優先度、エラー時のリトライ回数、ハッシュ値の保存方法などを指定できる。ハッシュ値の保存方法には「代替ストリーム」「別ファイル」の2種類がある。「代替ストリーム」がファイルのプロパティ情報として保存されるのに対し、「別ファイル」では文字通り、別のファイルとして保存される。