「バックアップデータが破損していないか」「重要なファイルがこっそり改竄されていないか」といったことを簡単にチェックできるソフト。一定の手順で計算されたハッシュ値を使って比較するので、実際にファイルを開いて内容を確認しなくてもよい。基本的には二つのフォルダを指定して、その内容を比較するという形になっており、バックアップデータの整合性をチェックするのが主な用途だが、ひとつのフォルダだけを指定すれば、ファイルの更新や改竄をチェックするのにも使える。
「変更をチェックする」「ハッシュ値を更新する」の2種類のコマンドがあり、改竄などが行われていないか確認するには前者を、文書を更新して新たにハッシュ値を保存する場合には後者を使用する。この二つの理解と使い分けがポイントだ。
ハッシュ値の取得方法がコンテキスト(右クリック)メニューからの実行のみで、ボタンなどがないのは要注意。同様にリスト上のファイルを一括して更新するようなボタンもなく、任意に選択したファイルのみが対象となる(もちろん複数の選択は可能)。こうした仕様は、不用意に実行してハッシュ値を上書きしてしまうような事故を防ぐためだろうか。
初期状態では「代替ストリーム」オプションが選択され、プロパティ情報としてハッシュが記録されるので、ファイルを移動する際にハッシュ用データファイルを移動し忘れるとか、誤ってハッシュデータを消去してしまうといった心配がないのも利点だ。
(福住 護)