「アバスト 無料アンチウイルス（Avast Free Antivirus）」は、ウイルスやスパイウェアなどの不正プログラム（マルウェア）を検出・駆除し、電子メールやWebページを安全に利用できるようにするセキュリティ対策ソフト。システムに常駐してマルウェアの活動を監視し、不審な動作をするプログラムがあれば、即座にブロックする。新バージョン「2016」では、インタフェースがよりシンプルになり、従来以上にわかりやすく、使いやすくなった。Webサイトへのログインやフォーム入力をマスターパスワードだけで安全に行えるパスワード管理機能も追加された。

マニュアル操作によるスキャンでは、通常のウイルススキャンに加え、バージョンアップが必要な古いソフトウェアや評価の低いブラウザアドオン、ネットワークセキュリティの問題などを検出することが可能。「スマートスキャン」を実行すれば、これらをまとめて検出できる（問題解決にはほかのツールが必要な場合もある）。

ウイルススキャンは「クイックスキャン」「フルスキャン」「特定のフォルダやリムーバブルメディアのみのスキャン」「ブートタイムスキャン」をから選択することが可能。ユーザがカスタム設定を登録し、実行することもできる。

常駐保護機能は「ファイルシステムシールド」「メールシールド」「ウェブシールド」の三つ。個別にON/OFFを設定することができる。「ファイルシステムシールド」では、ファイルの読み込みや書き込み、リムーバブルメディアの接続時などに自動でスキャンが実行される。除外対象を指定したり、処理方法を選択したりもできる。

「メールシールド」は、送受信メールをスキャンし、駆除や隔離を行ったり、ウイルスメールの件名にメッセージを追加したりしてくれる。

「ウェブシールド」は、有害サイトへのアクセスを遮断し、ページに埋め込まれたスクリプトをスキャンしたり、ファイルダウンロード時に警告を発したりする。いずれもスキャン除外対象の指定や処理方法の選択、感度の指定、圧縮ファイルに関する指定などを行える。

ファイルシステムシールド、メールシールド、ウェブシールドの動作状況は、リアルタイムモニタや過去の履歴で確認することが可能。世界中のユーザから収集した情報によるドメイン別のウイルス感染状況や、防御した攻撃の国別件数といった統計データも参照できる。

そのほかにも、

• AVAST Software社が提供するVPNを利用して、安全にネットワークへアクセスできるセキュアVPN
• 同じくAVAST Software社が提供するリモートアシスタンス
• 最新のウイルス定義データベースを含むレスキューディスク（CD/USBメモリ）の作成

新たに追加されたパスワード管理機能は、Webサービスなどで利用するIDやパスワードを登録しておくことで、ログイン時の入力の手間を省けるもの。登録したアカウント情報はマスターパスワードで保護され、安全性の向上にも役立つ。パスワード管理を行うにはWebブラウザ（Google ChromeおよびMozilla Firefox）用の拡張機能をインストールしておく必要がある。Webのアカウント以外にも、名前やメールアドレス、電話番号などの個人情報や、自由に使えるメモ（セキュアノート）などを登録できるようになっている。