入力した文字の変換精度を高めることで、候補の選択から確定までの操作を効率化。さらに予測変換機能の充実で、入力するタッチ数そのものも削減してくれるので、タイピングやタッチキーボードの操作に不慣れな人にとってはありがたいはず。ちょっとしたタイプミスであれば、これも予測変換で正しいと思われる語句に変換してくれたり、英単語の入力や日本語から英単語への変換などまでやってくれたり……と、至れり尽くせりの手厚いサポートがうれしい。文章のスタイルや言い回しといった部分にこだわる人にとっては連想変換機能も魅力的だ。「類語ファインダー」という名前の新しいインタフェースでは、従来の単なる候補リストではなく、ちょっとした解説文が添えられ、その語句自体を知らなかった人でも、より自分のイメージに合った表現を選ぶことができる。さらに、例えば「立春」で連想変換を行うと「雨水」「啓蟄」といった二十四節気にまつわる言葉を教えてくれたり、そのほかにも時候の挨拶や、英文レターに役立つ例文といったものまで表示してくれたりするのはかなり実用性が高い。
日本語表現を豊かにしてくれる機能だが、欲をいうと、日常的にはまず使うことのなさそうな漢語的あるいは古風な言い回しが収録されているかと思えば、この単語がないの? と意外に思う場面もあった。このあたりは、さらなる充実を期待したい。
(福住 護)