プロの現場でも活用されているシナリオ構成理論にもとづき、独創性のあるシナリオを作ることができる作成・管理ソフト。「シナリオエディター2」は、「個々の要素の書き出し」「内容の修正と加工」「順序の入れ替え」といった手順を踏むことで、アイデアが十分に生かされた、完成度の高いシナリオを作成できるソフト。テーマ、キャラクタ、シーン、アウトラインといった要素別に用意されたフォーマットを利用し、アイデアのメモを書き出して、少しずつまとめながらシナリオを作成してゆく。物語の骨格部分をはじめ、サイドストーリー、物語の末節や細部まで、シナリオ全体を段階的に構成してゆける。
大きな特徴は「原稿作成(執筆)に先立つさまざまなアイデアのメモ、基本設計の構築、段階的な推考といった作業をひとつのソフトで行える」こと。具体的には、テーマ、キャラクタ、シーンといった物語の構成要素案をいくつも書き留めておき、取捨選択したり、組み替えたりなどして、完成度の高いシナリオ(ドラマ、映画、ゲームシナリオ)に仕上げることができる。物語の「主題」とキャラクタの「人物像」「性格」「欲求」の代表的なサンプルデータが用意され、自分のシナリオに取り入れることも可能だ。
メイン画面は、中央には作業を行うエリアが、左側にはシーン、キャラクタ、ストーリーなどのフォルダツリー「パッケージ・エクスプローラー」が、右側には、キャラクタやシーンの一覧リストを開くエリア(標準では非表示)が配置される構成。複数のファイルを同時に開き、切り替えながら作業することができる。各エリアの表示/非表示やサイズの変更なども行える。
脚本の着想から完成するまでの作業は、
- テーマ+3行シナリオの作成
- キャラクタ設計
- ストーリー設計(メインアウトラインのほか、サブアウトラインも作成できる)
- シーン設計
- シナリオの構成(ハコガキ、プロット作成)
- シーンの会話の設計
- シナリオ原稿作成(執筆)
といったステップにしたがって進めてゆく。各ステップでは、専用のフォームがそれぞれ複数用意されている。例えばキャラクタ設計では、名前や職業、性別などの「基本設定」をはじめ、「欲求・行動」「変化・ドラマ」「障害・エピソード」などを、タブで切り替えながら書き込んでゆく。そのほかのフォームにも、シナリオの作成に不可欠な項目が網羅され、フォームを埋めることで、アイデアをシナリオに投影できるようになっている。フォームでは、テキストによるメモや箇条書きのほか、簡単なチャートやグラフなども活用する。例えばシナリオ構成では、オープニングからエンディングまで、ストーリーの流れに沿ったピーク(山場)の変化が「波形のグラフ」で示され、グラフの上に、シーン設計で作った個別のシーンを当てはめることで、構成の流れを形作ることができる。また個別シーンの設計では、登場するキャラクタ同士の対立構造を、テキストボックスの位置で示す「チャート」を用いることで、キャラクタの役割と相互の関わりを視覚的に検証しながら練り込んでゆける。
シナリオ作成(執筆)では、テキスト(HTML)エディタに似たフォームを用いる。文章(テキスト)内に、<タイトル><人物><あらすじ>といったタグや、
- アクト(起・承・転結の区切り)示す「★」
- シークエンス(物語の区切り)を示す「●」
- 柱書き(シーンの区切り)を示す「○」
といった記号を、必要に応じて埋め込みながら原稿を執筆することで、シナリオに必要な「表紙」「あらすじ」「人物」「原稿用紙(本文)」が同時に作成される。原稿は、シナリオコンクールで課されるフォーマット(20文字×20行)に変換できるほか、「舞台用」「テレビ用」などのスタイルで印刷することも可能。シナリオの文章をテキストファイルに書き出す機能も備えている。
シナリオの管理機能もある。シナリオファイルのほか、ストーリー、キャラクタ、シーン、ハコガキといった構成要素は、プロジェクト(フォルダ)内の1ファイル(*.storyline、*.character、*.scene、*.constructionなど)として個別に管理される。例えば、以前に作ったハコガキのアイデアを再検討したり、キャラクタやシーンなどをほかのプロジェクトで部分的に活用したりといったことも自由に行える。