投身自殺が相次ぐ駅を訪れた少年は、謎の男に背後から押され、不思議な世界の中を彷徨うことになる。はたして少年は、人を襲う人外のモノが跳梁し、崩壊し続ける世界から脱出できるだろうか……。奇妙な噂に引き寄せられた少年は、モノクロの世界へと迷い込んでしまう
「排気ガスサークル」は、独特の雰囲気が漂うアドベンチャーゲーム。主人公は、次々と崩壊してゆくモノクロの世界に突然放り込まれた少年。移動が極度に制限された異世界の中、「人」を襲うヒヨスや屑と戦いながら、少しずつ物語を進めてゆこう。
主人公の少年は、メモを片手にとある駅のホームに立っていた。その駅では、投身自殺が相次ぎ、社会問題にまで発展していた。こんなときの常で、オカルティックな噂も流れていた──いわく、強く願うモノが乗車券になり、それを持つ者だけを迎えにこの駅へ電車がやって来て、願いを叶えるため、夢の先へ連れて行ってくれる……。
そうしたなか、少年は一枚のメモを握り締めながらこの駅に来てしまった。周囲で語られる噂を半信半疑で聞きながら、ホームでメモを見つめ続ける少年。気づけばホームに人影はなく、音も色も失われたモノクロームの世界にひとりで佇んでいた。背後からいきなり突き飛ばされ、いつの間にか停車していた列車の中に転がり込む少年。慌てて振り返ると、そこには彼が落としたメモを拾い上げる白い男の姿があった。呆然とするの目の前で扉が閉まり、少年はわけのわからぬまま、モノクロームの世界の中に閉じ込められる……。
ヘンベインの歌によって崩壊し続ける世界から少年は脱出できるだろうか
少年が迷い込んでしまったモノクロームの世界は、ヒヨスや屑といった、人ならぬモノが跳梁する世界。人であることがわかると、これら「人」になりたがるモノに喰われてしまう。本名を口にしてもいけない。同様に喰われてしまう。顔も仮面で隠さなくては、顔をほしがるモノに喰われてしまう。
この世界では仮面が「乗車権」を兼ね、乗車権がないと列車の乗り降りができず、この世界を移動することができない。さらに、持っている乗車権によって移動できる駅が異なるというルールもある。
この世界は現在、ヘンベインの歌によって崩壊の危機にさらされ、それに対する行動から四つのグループに分かれている。ひとつは葬儀屋で、MAG団と協力し、この世界を再生しようとしている。二つめはMAG団。失われてしまった「主」を創り直そうと、屑の欠片を集めている。三つめはヒヨス派。この世界が崩壊した原因ともいわれ、渾然としたものが好きなようで、敵味方なく襲う習性がある。四つめはどこにも属さないもの。独自に世界を再生させようとする者、まったく興味がなく動かない者、怖くて動けない者などさまざまだが、いろいろなモノを喰らうことで、「人」になろうとするものもいる。
少年はモノクロの世界でさまざまな仲間と巡り会い、協力し合うようになる
このような世界で、少年が一人で生き抜くことは不可能。助けてくれる仲間も多く登場する。なかでも少年を「主」と慕い、常に身を守ってくれる、生まれたばかりの影は最も頼りになる存在。影は自分が「主」として決めたものと一体化し、主に合わせて変化する特殊な者で、主人公が被る仮面を変えることで、使える技が変化する。
そのほかにも、葬儀屋の「ノーチェ」「リヒト」「ルーナ」、MAG団の「イーア」「ワッピ」「レッド」「グリーン」「ブルー」などといった個性的な面々が主人公を仲間として受け入れ、さまざまな手助けをしてくれる。
ゲームの内容はアドベンチャー。駅でエリアを選択して移動し、目的のエリアで探索を行う。エリア内の探索ができない場合は、目の前にいるキャラクタをカーソルで選んで会話を行うといった具合。エリア内の探索で、敵と出会った場合は戦闘を行う。戦闘は通常攻撃、特殊、防御の各コマンドを選択して行う。三つのコマンドは攻撃 > 特殊 > 防御 >攻撃と、三すくみの関係にある。同じコマンドを出したときは双方ノーダメージだが、違うコマンドの場合は、弱いコマンドを出した方がダメージを受け、どちらかのゲージが先に0になると勝敗が決する。主人公が負けた場合はゲームオーバーとなる。