誰でも手軽にRPG作成を楽しむことができるソフト。「RPGツクールVX」の機能強化版で、データベース設定などもブラッシュアップされている。上級者向けの機能が数多く追加・強化された「RPGツクール」の“切り札”
「RPGツクールVX Ace」は、“定番”RPG作成ソフト「RPGツクール」シリーズの最新作。これまで苦労して実装していた機能のいくつかが標準搭載の機能だけで実現できるようになり、パラメータなどもきめ細かく設定できるようになった。上級者も満足させるシステムに仕上がっている(製品版購入前に試用できる「体験版」では、いくつかの制限事項はあるが、製品版とほぼ同じ機能を使って、ゲーム作成の雰囲気を味わえる)。
新たに追加された機能は「キャラクター生成」「タイルセット」など。「キャラクター生成」は、男性キャラ、女性キャラそれぞれの顔グラフィックと歩行グラフィックを作成できる機能。髪の毛や輪郭、目、耳、鼻、口、ヒゲ、襟元、服など、20項目のパラメータを指定するモンタージュ形式で、キャラの風貌を変化させることができる。ランダム生成にも対応する。
「タイルセット」では、ひとつの作品に複数のタイルセットを使用できるようになった。マップごとにタイルセットを選択でき、マップの表現力が向上した。さらに、従来は特定の位置で固定されていた「茂み」「カウンター」などの属性を、任意のタイルに設定できるようになった。
データベースも整理・強化され、面倒だった設定も手軽に
データベースも見直され、整理・強化された。各項目に「特徴」「使用効果」といったリストが用意され、細かい属性の設定やゲームバランスの調整を従来以上に行いやすくなった。属性やステートの友好度を数値で指定したり、通常攻撃時の属性や攻撃回数などを細かく指定したりできるようになった。
さらに、スキルやアイテム攻撃でのダメージ計算式をデータベースに直接設定できるようになった。戦闘時や敵を倒したときなどの演出も細かく設定できる。
パラメータ「TP」で発動できる必殺技も数多く追加された。これにより、戦闘時の戦法やメンバーのキャラクタづけ、演出などの幅が大きく広がった。
戦闘背景の生成も可能になった。生成は、手前に表示させる地面のパーツと、奥に表示させる建物や地形などのパーツを組み合わせて行う。
イベントでは、Ogg Vorbis形式のサウンドやOgg Theora形式の動画を再生できるようになった。演出に凝りたい人にとってはうれしい強化だ。
パーティの移動で隊列歩行表示が可能になったことも特徴。5人以上のパーティを組むこともできる。
「RPGツクールVX」から受け継がれた基本機能も充実
ゲームの基礎となるマップは、タイルパレットに用意された豊富なマップタイルからを選択し、マップ上に配置して手軽に作成できる。描画ツールは「鉛筆」「四角形」「楕円」「塗りつぶし」が用意され、効率よく作業できる。一気に複数のタイルを選択して配置することも可能だ。
町の人との会話や宝箱、シンボルエンカウントなどのマップイベントは、「イベント編集」モードにすることで、マップの1タイルごとに設定できる。設定したイベントのコピー/貼り付けも可能。特定の地域ごとに出現する敵を変えたい場合などには、モードを「リージョン編集」に切り替えて、マップのタイルにリージョンを設定することで対応できる。
マップ関連以外の設定はデータベースにまとめられ、項目ごとに細かく設定できる。用意された項目は「アクター」「職業」「スキル」「アイテム」「武器」「防具」「敵キャラ」「敵グループ」など、計14項目。背景画像の設定、バトルイベント、コモンイベントなども行える。
「既存の機能だけでは、求める動作や演出などができない」という場合には、「スクリプトエディタ」を起動し、スクリプトの編集・新規作成により、柔軟に対応できる(体験版ではスクリプトの編集は不可)。