マウスで画面を切ることにより、そこを切断できるというアイデアがおもしろい、ユニークな2Dアクションゲーム。小学校に取り憑いた六人の花子さんという設定もおもしろく、それぞれの花子さんのキャラクタもよく考えられている。ステージ前後に挿入される、マンガのコマ割り風に演出されたストーリーパートも楽しい。タイトルやストーリーパートのグラフィック、演出は文句なしの完成度の高さ。花子さんは1年生から6年生までの六人しかおらず、華子さんはイレギュラーなので、本来はカウントされないはずなのに、学校の七不思議なのはご愛敬だ。アクションパートは、六人の花子さんと戦うボス戦がメイン。そこに至るまでの二つのサブステージは、演出と操作の練習用を兼ねたオマケといったところだろうか。「七人のハナコさん」では、得点や経験値などもなく、使い魔などとは戦わずにサクサクとゴールを目指しても問題はない。
肝心の「花子さんとの戦闘」にも力が入っている。六人の花子さんそれぞれに個性的な演出と攻略方法が用意され、バラエティに富んでいて楽しい。特に後半の花子さんを倒すには、独特の操作である「切断攻撃」をうまく生かさなくてはならず、よく工夫されている。
ただ、それだけにゲームバランスが若干、悪く感じられる点と、ストーリーパートに比べ、アクションパートのグラフィックが劣って感じられる点は残念。特に「図書室の花子さん」は、それまでに比べていきなり難易度が激しく跳ね上がり、ここで挫折する人も多いのではないだろうか。比較的楽な攻略法は確かにあるが、その攻略法を思いつかないと、とんでもなく難易度の高い操作にチャレンジし続けるしかなくなってしまう。「一定回数以上失敗したら、猫のアドバイスが入る」などの救済策がほしいところだ。
(秋山 俊)