主要なエンディングだけで20種類にも上る、ボリューム満点の本格“謎解き型サスペンスアドベンチャーゲーム”。全9章構成。殺人の訓練を受けた集団が相手の、命懸けの脱走劇
「Erinyes(エリニュエス) ハイグレード版」は突然、拉致され、廃墟の島で監禁された少年など、4人のキャラクタを主人公にしたサスペンスアドベンチャーゲーム。シナリオの自由度が高く、ゲームの難易度も高い。些細なミスが命取りなる。軍艦島をモデルにし、実写が多用されたリアルな背景の中、息をもつかせぬ死の脱出行が展開される。ハイグレード版は通常(フリー)版に比べ、画質や音質の向上などが図られたもの。
ゲームの舞台は、日本によく似た架空の国「倭国」。最初の主人公は、県立隅吉高校の3年生「北住隼人(きたずみはやと)」。港で夜釣りをしているときに偶然、密航船を目撃したことから「島」に拉致されてしまう。
もう一人の主人公「舞阪南(まいさかみなみ)」は、夕日新聞社の新人記者。半年前から倭国各地で起こる行方不明事件に関係があると思われる不審船の噂を取材で追っているところを拉致される。
物語の第1章は、隼人と南とがそれぞれ牢獄のような部屋に監禁されている状況からはじまる。互いに協力し合い、無事、牢獄から脱出することができるだろうか……?
犯人の正体は不明だが、外国の正規軍がバックに付いている疑いもある。銃器を所持していない人を殺すことにも一切躊躇がないようだ。適切な行動を取ることができなければ、たちまち射殺されてしまう。
4人のうち誰を中心に進めるかでストーリーが変化する
物語が進むにつれ、新たに「ブラッド・イーストウッド」「ナサ」が仲間に加わり、最終的に4人のキャラクタが主人公となる。「ブラッド・イーストウッド」は、31歳の国連軍潜入工作員。倭国からの民間人拉致の実態をつかみ、(可能であれば)人質を救出すべく「島」に潜入した。島で開発されているらしい兵器の実態調査も任務に含まれる。「ナサ」は、見かけの年齢は14歳くらいだが、国籍・年齢ともに不明の少女。追われているところを隼人たちに助けられ、行動をともにするようになる。
「Erinyes ハイグレード版」にはプレイヤー変更機能があり、章が進むと4人のうち好きなキャラクタを操作してゲームを進めることができる。使用するキャラによって、能力や視点、持っているアイテムなどが異なり、行動が変化するのはもちろん、時としてストーリーの進展にも変化が生じる。
パーティ編成機能もある。4人のキャラクタをパーティ分けして、別行動を取らせることが可能。各パーティを別の場所で行動させながら協力させることで、効率よく謎を解き、難しい局面も乗り切ることができる。当然、パーティ編成によってシナリオのルートが変化したりもする。
これらのシステムにより、ゲーム内での分岐は非常に複雑。物語に厚みと深みを与えている一方、用意されたすべてのエンディングを見ることを困難なものにしている。
マウスで怪しいところをクリックして、物語を進めてゆく
操作はマウスで行う(一部キーボードを併用することも可能)。基本は「マウスで画面の気になるところをクリックする」こと。クリックして何か変化が起きる場所では、マウスカーソルの形状が変化する。場所によって、何らかの情報や選択肢が表示されたり、主人公が移動したりする。
何かアイテムを取得した場合、画面下部右側の「Equipment」周辺をクリックして持ち物リストを表示させ、選んだものを装備することが可能。アイテムを持っていても、装備しなければ、何も変化しない。使えそうなアイテムがあるときは、必ず装備しよう。
仲間ができてからは、「Name」の下に表示された名前のクリックで、いくつかの操作を行えるようになる。同じパーティのキャラクタの場合は、クリックで呼び出して話をすることができ、もう1回クリックして操作キャラを変更できる。違うパーティのキャラの場合は、1回クリックしただけで操作キャラを変更することが可能だ。
自分自身の名前をクリックするとパーティ編成メニューが表示され、最大四つのパーティにメンバーを振り分けることができる。
そのほか、画面右下のボタンをクリックして「セーブ」「ロード」「コンフィグ」などを行うことも可能。画面の任意の場所で右クリックすることにより、それまでに表示されたテキストの履歴を呼び出し、いつでも読み返すことができる。
【編集部注】 現在、公開されているVer.1.80では、IE 9がインストールされた環境で画面表示やエフェクトがおかしくなる現象が報告されている。この現象に対応した修正差分が作者のホームページで公開される。