ゆっくりと舞い降りる白い結晶。しんしんと降り積もる無音の世界。目も開けていられないような猛吹雪、ドカ雪……。「雪が降っている」と聞いて、どんな光景を思い浮かべるだろうか。「snowy2」は、雪の量や風の強さ、背景などを変更することで、まったく異なる姿を眺めることができるスクリーンセーバだ。特筆すべきは、触れると融けてしまいそうな、その雪の質感。さまざまな大きさや透明度の球体が描かれ、遠近感が効果的に表現されている。球状の雪だけでなく、板状の結晶が不規則に回転し、きらめきながら降ってくるのも美しい。雪の量は、なごり雪のような儚い感じから、ブリザードかと思えるような極限状態まで、多段階に設定することができる。
この光景に変化を加えるのが、「風の強さ」「雪の重さ」というパラメータ。風を少し吹かせると、ゆらゆらと揺れながら、ときには上に舞い上がるように降るようになる。強くなればなるほど、雪は舞い踊り、吹き上げられ、翻弄されていく。重さが軽ければゆっくりと、重ければ速く降るのはもちろんのこと、風によって受ける影響も変わってくる。雪の量とともにいろいろ調整してみて、好みにあった設定を見つけよう。
デスクトップの背景によっても、雰囲気が一変する。雪景色の壁紙で雰囲気を楽しむもよし、南国の海のような「雪ってなに?」といった背景に降らせるのも一興だ。「壁紙の強さ」を調整することでアイコンやウィンドウを透過させ、壁紙を目立たせることもできる。背景は明るさの調整のほか、「ぼかす」「白黒」といった設定が可能。白黒にすると、いわゆる銀世界の状態になる。
そのほか、画面解像度の指定、垂直同期と合わせる、フレームレート表示などが行える。雪の量や描画速度はグラフィック性能によって大きく変わるので、できるだけ強力な3Dグラフィックカードを使って楽しむことをお勧めする。筆者のGeForce4 Ti 4200では、最大降雪量で25fpsほどだった。なお、雪の量の設定スライダを最低にして動作させると描画自体が行われなくなった。環境によるものかもしれないが、念のため。
癒されるような感覚から極寒の地まで、千差万別の雪世界を体感できる「snowy2」。春、夏と進むにつれて、恋しくなる「冬」を思う存分、堪能してほしい。
(柴崎 ひろ)