めずらしい苗字548種類を表示する、ユニークでタメになるスクリーンセーバ。一般的には、誰しも苗字(名字)を持つことから、苗字に関してまったく関心がない、という人はそうは多くないのではないだろうか。佐藤、鈴木、高橋、……さんは数で覇を競い(?)、ほとんど見たこともないようなめずらしい苗字の人は、その由来について不必要なほどの深い知識をもっていたりするものだ。筆者は小学生のころ、クラスメイトに「八百屋」君がいたことから苗字道に開眼したのだが(すでに眠りっぱなしですが)、実家が飲食店を経営していた八百屋君によれば、「オレの友達には、家が米屋の『米屋』君がいる」とのことで、家業が苗字を呼んだのか、苗字が家業を呼んだのか、ご本人に真相を聞いてみたくなってしまった。
閑話休題。「Dorayaki『稀苗字』スクリーンセーバー」は、スクリーンセーバとしてはテキスト表示だけのいたってシンプルなもので、見る者の意表を突くようなところはない。ただし、苗字というものに少しでも興味のある人なら、しばらくの間、つい見入ってしまうような魅力がある。「これは読めないな」というものももちろんあるが、その多くは「なんとか読めはするが、苗字とすれば、やはりめずらしいゾ」というものだ。テーマ設定のうまさの勝利、だと思う。バグウェルさんのサイト「苗字堂」の「全国1軒名字」が元データになっているとのことだ。
斑石さん、悪虫さん、大臣さん、算旭さん、目年さん、天間屋敷さん、治郎堂さん、鳥頭尾さん、……。次から次へと繰り出されるめずらしい苗字に、思わず「ヘェ」と唸ってしまう。日本全国にはおよそ10万種類の苗字があるそうで、苗字道を極めるのはなかなか大変そうだが、まずは「Dorayaki『稀苗字』スクリーンセーバー」で、苗字に対する好奇心をくすぐられてみてはいかがだろうか。
(練馬 ベク蔵)