とにかくシンプルなOCRソフト。画面もシンプルなら、使い方もシンプル。画面上部に配置された大きめのツールボタンは、「バージョン情報」「ヘルプ」を含めてもわずか9個。メニューバーもないし、OCRソフトによくある「認識前」「認識後」の二画面構成だったりもしない。デスクトップ上の状態をキャプチャして、文字認識・テキスト化する「画面から」では、範囲指定するだけでよいし、「画像から」では、読み込むファイルを指定するだけでよい。「スキャナから」「PDFから」も同様に、難しいところは何ひとつない。ある程度パソコンソフトを使った経験のある方なら、はじめてでも戸惑わずに使うことができるはずだ。
肝心の認識結果については「ほぼ修正の必要のないくらい高い認識率を示す場合もあれば、ある程度の修正が必要な場合もある」というのが正直な感想。どのようなパターンが得意で、どのようなのが不得意なのか、いろいろと試してはみたが、残念ながら短い時間の中では、納得できる結論には至らなかった(当然のことだが、使用されているフォントや、文字と背景との状態などで、認識率は大きく変わってくる)。
メーカーによるソフトの説明では「使えば便利なことはわかっているのに利用していなかったOCRソフトが、お手ごろ価格で手に入り、しかも簡単にご利用いただけます」とある。「簡単にご利用いただけます」ということは、ここまで記した内容でおわかりいただけると思う。価格に関しては、ほとんどが5,000円以上はするOCRソフトが1,980円(2017年5月26日現在、ベクターPCショップでの販売価格)で購入できるので、手ごろ感はある。OCRソフトの入門編として最適だろう。
(津布久 樹)