最大10,000件の履歴を保持できるクリップボード拡張ソフト。Ver.2.xでは、Windows 10に対応し、メイン画面“以外”の各画面のユーザインタフェースが変更された。「Clibor」は、クリップボードに転送される文字列を監視・保持し、履歴を再利用できるようにするクリップボード拡張ソフト。タスクトレイに常駐し、アプリケーションで文字列の切り取りやコピーが行われると、そのつど履歴として記録される。搭載する機能は、
- グループ管理に対応した定型文の登録・貼り付け
- クリップボード履歴・定型文の検索
- クリップボード履歴の編集・削除・整形・変換
- FIFO/LIFOによる貼り付け
など、多彩かつ強力。簡単な操作で使うことができ、文書作成・編集作業の効率化を支援してくれる。Ver.2.xでは、ユーザインタフェースが変更されたほか、履歴の最大保存件数がVer.1.xの1,000件から10,000件へと拡張された。そのほかにも、定型文ごとにホットキーを設定できるようになるなど、数多くの機能追加・強化が行われた。起動後はタスクトレイに常駐し、クリップボードに転送される文字列を監視する。貼り付けを行う場合は、ホットキー操作でメイン画面(ポップアップメニュー)を呼び出し、メニューに表示された履歴アイテムを選択(クリック)すればよい。メイン画面の呼び出しには【Ctrl】キーの二回押しが割り当てられている(初期状態。ホットキーを【Shift】/【Alt】キーなど、別のキーに変更することも可能)。
メイン画面には「クリップボード(履歴)」のほかに「定型文」用のメニュー(サブタブ)も用意されている。ホットキーで「定型文」タブを直接呼び出すことも可能だ。定型文の貼り付けもクリップボード履歴と同様。当該アイテムがクリップボードへ転送され、貼り付けられるようになる。設定により、アイテムを選択した時点で自動的に貼り付けが行われるようにすることも可能だ。
アイテムの選択をショートカットキーで行うことも可能。マウスを使わずに、キー入力だけで利用できる。ショートカットキーは、数字、英字、【Ctrl】+数字、【Ctrl】+英字、【Shift】+数字、【Shift】+英字……のように割り当てられ、さらに増やしたり、順番を変更したりすることも可能だ。
保持できる履歴は初期状態では108件。最大10,000件まで拡張できる。メニューに表示されるのは36件(初期状態)で、アイテム数がそれ以上ある場合は、メニューのタブ部分を操作してページを切り替える。定型文はグループで分類・管理することが可能。同様にページ切り替えの要領でグループを選択できる。
大量の履歴・定型文を効率よく探せるようにするため、インクリメンタルサーチ対応の検索機能も用意されている。検索は、前方一致や正規表現などにも対応。さらに、
- (履歴や定型文の内容だけでなく)タイムスタンプなども表示されるツールチップ
- 選択した履歴をメニューの先頭に移動する並べ替え
- 定型文メニュー内容のカスタマイズ
といった機能で、メニュー項目の検索性・操作性の向上を図っている。保持された履歴は、削除や編集、整形(連番や特定文字列の挿入)、大文字/小文字などの変換が可能なほか、「クリップボード」から「定型文」に直接、登録することも可能。さらに特殊な機能として、
- 複数のクリップボード履歴を連結する「複数選択」
- 特定の文字列を履歴に記録しないようにする「除外リスト」
- 特定のウィンドウ上でコピーされた文字列だけを保持する「監視ウィンドウ」
などを搭載する。貼り付けは「通常」モードのほかに、「FIFO」「LIFO」モードに切り替えて行うことも可能。「FIFO」「LIFO」モード時には、メイン画面のタブ名「クリップボード」が「FIFO」または「LIFO」に変わり、ストックされている文字列のリストが表示される。モードを「通常」に戻すと、通常の履歴リストが現れる。
クリップボード履歴は「Clibor」終了時に自動的に暗号化保存されるが、定期的に自動保存されるようにすることも可能。プライバシー保護のため、終了時に履歴を残さないで削除したり、起動用パスワードを設定したりもできる。
そのほかにも、メイン画面の横幅や一行あたりの文字数の指定、画面の透過率(透明度)指定、配色やツールチップなどの表示に関するカスタマイズ、定型文の保存と読み込み(CSV形式)、データのバックアップ/リストアなど、多彩な機能を備えている。