「Privacy Eraser」という名前の通り、プライバシー保護に関わるファイルを削除してくれるソフトだが、その延長上としてアプリケーションのアンインストールやアドオン、スタートアップ項目の管理といった機能も備えており、もう少し広い意味での「快適化ソフト」と捉えてもよいのではないかと思う。フリー版ながらスケジュール実行が可能だし、さらにモニタリング機能ではWindowsの状態やWebブラウザを監視して、自動的にクリーニングを行ってくれるので、ついついメンテナンスを忘れがちな人にとってはなんともありがたい。
モニタリング機能についてもう少し掘り下げて紹介しておくと、
- Webブラウザの状態を監視する「ブラウザモニタリング」
- Windows自体を監視する「システムモニタリング」
の二つの機能がある。「ブラウザモニタリング」は「クリーニング前」と「ブラウザ終了時」の二つの動作をブラウザごとに指定するもの。マニュアル実行やスケジュール実行などでのクリーニングを行う際にブラウザが起動していないかどうかをチェックし、終了の方法(通知後終了、強制終了など)を選ぶのが「クリーニング前」オプションだ。もうひとつの「ブラウザ終了時」は、ブラウザの終了を検知し、当該ブラウザだけを対象にクリーニングを行う機能で、「通知とともに自動的にクリーンアップする」「通知をしないで自動的にクリーンアップする」などのオプションを選べる。これならブラウザを終了するたびに毎回その場で実行されるし、処理対象自体が少量なので時間もかからないのがメリットだ。
実は、言語設定で日本語化するとこのオプションの名称が「クリーニング後」となっているので意味がわかりにくいのだが、英語モードでの表記を見ると“After Closing”なので、ブラウザ終了後の動作オプションだということがわかる(本稿では英語表記を優先し、「ブラウザ終了時」とした)。
「システムモニタリング」では、クリーニング可能なファイルが一定の容量(初期設定では0.5MB)を超えると自動で処理を行ってくれる。こちらも、メッセージの通知後にクリーニングを行ったり、通知なしでクリーニングしたりといったオプションを選べる。
クリーニングの方法は、「Free」では通常のファイル削除だが、有償の「Pro」では、より安全性の高い消去アルゴリズムを選べる。「ファイルシュレッダー」と「ドライブワイパー」のアルゴリズムも、「Free」で選べるのはSimple zero-fill(1 pass)のみだが、「Pro」になるとより高度なオプションを選べるのが大きな違いだ。
クリーニングの機能そのものは「Free」でも十分だが、消去アルゴリズムにまでこだわるのであれば「Pro」を選ぶのもよいだろう。
(福住 護)