関連ファイルをプロジェクトとして管理できる、タブ切り替え式(TDI:Tabbed Document Interface)のテキストエディタ。定型文登録、入力補完、クリップボード履歴などの入力補助機能や文字列の一括検索機能なども搭載する。「Maktabee」は、複数のテキストファイルを同時に開いて参照・編集できるテキストエディタ。C/C++やPascal、Delphiといったプログラミング言語、データベース用言語(SQL)、Webページ用のHTMLやCSSなどの編集に対応。“主にプログラム言語を編集する”ことが想定されているが、一般的な文書を編集することももちろん可能。文字列の検索・置換では正規表現を利用できる。拡張子によるキーワードの強調表示にも対応する。デフォルトの文字コードにはUTF-8が設定されている。
メイン画面は、メニューバーとステータスバーのほかはタブ表示エリアがあるだけのシンプルな構成。プロジェクト管理機能を使用する場合は、さらにプロジェクトウィンドウ(実際には独立したウィンドウではなくペイン)が表示される。ウィンドウは二分割して使うことも可能。さらに「アウトプットウィンドウ」を表示させることもでき、文字列の検索結果やクリップボード履歴などを確認できる。
「編集」機能では、コピーや貼り付け、Undo/Redoといった基本的なもののほか、カーソル(キャレット)位置から単語を判断し、
- 文字列を文字種にしたがって選択状態にする「一語選択」
- 区切り文字間(シングルクォーテーションや括弧など)で選択状態にする「一語選択拡張」
- 一語選択で選択状態になった文字列をクリップボードへ転送する「一語選択コピー」
を利用することが可能。大文字/小文字や全角/半角などの文字種変換、タブと空白文字の相互変換、選択行の並べ替えなども行える。さらにサブメニュー「挿入」には、行頭・行末・カーソル位置への文字列挿入、インデント・解除、タイムスタンプの挿入、行の複製、定型文挿入といった機能が用意されている。「検索・置換」機能では、
- ファイル内を対象とした通常の文字列検索・置換
- フォルダ内やプロジェクト内を対象とした一括検索・置換(ファイルから検索、ファイルから置換)
が可能。フィルタ指定で検索対象のファイル形式を絞り込むこともできる。正規表現を利用することも可能だ。カーソル位置の移動では、行番号指定によるジャンプや対応するカッコへのジャンプに加え、移動の履歴を記憶する「カーソルトレース」機能がある。ユーザがマウスでクリックした位置や【PageUp】/【PageDown】などを自動で記憶し、前後の位置へ移動することが可能。そのほか、ブックマーク(10ヵ所まで)を利用して移動することもできる。
複数のファイルを扱う場合、「プロジェクト」を作成しておけば、効率的なファイルアクセスが可能になる。プロジェクトには、編集中のファイルや既存のファイル、指定したフォルダ内の全ファイルなどを登録することが可能。プロジェクト内にグループを作成し、ファイルを分類することもできる。複数のプロジェクトを同時に開いて、タブを切り替えながら使用することも可能だ。
そのほかにも、
- 入力した計算式の解を表示してくれる「簡易電卓」
- 選択した行をグループ化し、表示/非表示を切り替えられる機能
- 予約語などを認識して、見出しのように扱える「コードエクスプローラ」
- バイナリ表示(16進表示)
など、多彩な機能を備える。オプションでは、拡張子別にプログラミング言語の定義語を割り当てたり、定型文を登録したりすることが可能。キー割り当てや配色をカスタマイズすることもできる。