シンプルだが、かなり難易度の高いアクションゲーム。障害物や敵の配置が絶妙で、テンポよく、かつ正確に主人公を操作しないと、たちまちやられてしまう。実際にプレイするとよくわかるが、テンポが重要にもかかわらず、主人公が壁と接触すると自動的に張り付き、一度ジャンプしないと壁から離れることができないのがなんとも難しい。一方、難所を乗り越えたあとには必ずひと休みできるゾーンが用意されているなど、ただ難しいだけのステージはなく、マップの構成は実によく考えられている。もちろん全ステージを通してのゲームバランスも熟慮されており、プレイヤーを飽きさせることがない。
レトロなビデオゲームを彷彿させる画面デザインも最高。ブラウン管を想起させる樽形の歪み、角の丸みはもちろん、緑色の配色や走査線をイメージさせる横縞が何ともいえない雰囲気を醸し出している。画面全体が薄ぼんやりとにじんだ感じに描画されているのも堪らない。
1周目は順番に全ステージをクリアしなくてはならないが、20面クリア後は好きなステージを好みの難易度でタイムアタックできるようになり、やり込み甲斐もある。腕に自信のある方に強くお勧めしたい、歯ごたえのあるアクションゲームだ。
(秋山 俊)