「ATOK(エイトック)」は、日本語を快適に入力するためのソフトです。日本語をコミュニケーションに使用する私たちは、パソコン上でも日本語の入力が不可欠です。ジャストシステムは、「人の思考を妨げない」自然言語処理の研究・開発を進めてきました。その成果のひとつが「ATOK」です。
今回の「ATOK 2016 for Windows [プレミアム]」では、忙しいときにこそ役立つ、場面に応じて必要な候補を切り替えて提示する機能や、入力ミスを的確に補正する機能を充実させました。
ソフトを開発しようと思った動機、背景
慌ただしい毎日の中で、複数の相手にメール返信しなければならない、といった場面でのこと。「急いでいるときに限ってホームポジションから指が外れて入力という痛恨のミス」「返信するときに、引用しようとして入力したのに誤字が紛れ込んでしまった」──もう文字入力のやり直しなんてやりたくない、などと思ってしまう、日常ありがちな“ガッカリ”を減らし、気分よく文字入力を続けていただきたいという思いから「ATOK 2016」は生まれました。
日本語入力に常に使うソフトであるからこそ、「ATOK」が入力した方の意図をくみ取り、本来行いたかった入力を効率的に行うことを目指しました。
開発中に苦労した点
「ATOK 2016」では、ホームポジションから手がずれてしまって「stohsypi」となってしまった文字列までも「ありがとう」と的確に補正します。
ホームポジションからずれたにもかかわらず入力を続けてしまうといったことは偶然起こってしまうから発生するのであって、意図的にさまざまなパターンを入力して動作確認を行うのは至難の業でした。もちろん、人手でのテストだけを行っているわけではないのですが、最終的には入力する人の気持ちになって適切な補正ができているかを繰り返しテストする必要があります。
通常「9w32q」という入力から「お世話」という言葉に補正されるとは想像もつきません。画面を見ながら考えてしまうと、次にどう入力すればよいのかわからなくなったり、違和感の強すぎる候補に補正されないよう確認したりと、テストを進めてゆくのはとても根気のいる作業でした。手がズレてしまって入力し続ける場面など起こらない方がよいことではあるのですが、偶然手のズレが起こってしまった場合は、この入力補正機能がお役に立てるものと思います。
ユーザにお勧めする使い方
●文章を参照しながらの文字入力がはかどります
Microsoft Word/Excel/Outlook、SNSやWebサイトをブラウザで参照しながら文章を書く際、参照している間のみ、自動的にその文書内の言葉やフレーズを優先して変換候補や推測候補提示する機能「ATOKインサイト」が新搭載されました。ブラウザでWebメールを開き、お気に入りのエディタで返信を下書きする、といった場面でも数文字入力すると、参照しているWebメールに出てくる言葉やフレーズが自動的に「ATOK」の候補に表示されるので、すばやく誤らずに入力でき、大変に便利です。
●Webサイトを見ているときでも、意味を知りたい言葉があれば「ATOKイミクル」
「『ATOK』の電子辞典は入力中にしか使えないから、なんだかもったいないな」と感じていらっしゃいませんか? 「ATOK 2016」で新搭載の「ATOKイミクル」は、ブラウザなどで閲覧中、その場で辞典検索できる機能です。「ATOK 2016 [プレミアム]」の、収録語数30万項目という大型国語辞典「精選版日本国語大辞典」や詳しい語法で人気の「ジーニアス英和/和英辞典」も簡単操作の「ATOKイミクル」で活用の幅が飛躍的に広がりました。
例えば、ブラウザで記事を読み進めている途中、意味がわからない言葉に出合ったら、その言葉をマウスで範囲選択し、【Ctrl】キーを2回押すだけ。即座に「ATOKイミクル」が意味を表示してくれるので、その場で言葉の意味を納得でき、とてもスムーズに記事を読み進めることができます。
言葉の意味の確認のためだけに入力し直したり、検索サイトを開き直したりする手間が減り、後回しにしがちだった言葉の確認を行うことが増え、自信を持って使える言葉が増えた気がしています。ぜひ、お試しください。
今後
「ATOK」は、日本語を入力する際に毎回使うソフトです。だからこそ、使っていただく方それぞれに使いやすい点もあれば改善をご希望の点もあると思います。「ATOK」は、使ってくださるみなさまとともに進化を続けます。ぜひ、ご要望をお寄せください。
((株)ジャストシステム)