「PhraseExpress」は、テキストエディタやWebブラウザなどのさまざまなアプリケーションに、定型文をすばやく挿入できる高機能文字入力支援ソフト。改行を含む、複数行のフレーズも挿入できる。タスクトレイに常駐し、ホットキーでフレーズ選択用のポップアップメニューを呼び出して利用する。マクロ機能のほか、略語の登録機能を利用した文字の訂正・補完など、便利の機能を搭載。書式付きテキストにも対応し、文書作成作業の効率を上げることができる。

フレーズはカテゴリー別に階層管理され、ポップアップメニューのサブメニューをたどって選択してゆく。登録済みのフレーズをそのまま挿入できるのはもちろん、パソコンのシステムクロックから現在日時を取得して貼り付けたり、定型文の一部（宛名など）だけを入力したりといったことも可能。さらにクリップボード拡張ソフトのような使い方（クリップボードキャッシュ）や、WebブラウザにURLを入力するためのブックマーク管理ソフトのような使い方もできる。

ポップアップメニューの最上部には検索ボックスが用意され、フレーズの一部を入力すると候補が絞り込まれる仕組み。あらかじめ登録しておいた文字列（スニペット）を入力し、【Enter】/【Tab】キー、スペースキーなどを押して、メニューから入力候補を選択することもできる（Autotext機能。スニペット選択後、即定型文が入力されるように設定することも可能）。Autotextによる入力では候補を複数、設定できる。ひとつの略語に対して表示される複数の候補から選択・入力することが可能だ。

フレーズの管理はメイン画面で行う。画面左側にはカテゴリー別に分類・登録されたフレーズのツリービューが、また画面右側には編集エリアが配置される。ツリービューでフォルダを選択している場合は、フォルダ名やホットキーなどの“フォルダに対する設定”のみが表示され、フレーズを選択すると、さらにテキスト編集エリアが表示される。テキスト編集エリアでは書式設定用のツールバーを使って、太字、斜体、位置揃え、インデント、箇条書き、表組み、画像の挿入、ハイパーテキストリンクなどを指定できるようになっている。

マクロ機能では、現在の日付や時刻を挿入できるほか、明日や昨日、1時間後の時刻を挿入することも可能。あるフレーズに別のフレーズを挿入したり、挿入したフレーズ内にカーソルを移動させたり、指定フォルダを開いたり、指定プログラムを実行したり、実行中の指定プログラムをアクティブにしたりといったこともできる。

初期状態でさまざまなフレーズが登録済み。名言・警句や“Dear Mr.〜”のような挨拶用定型句のほか、タイプミスしやすい文字列を自動的に正しいスペルに置き換えてから挿入するAutoCorrect用の設定や、マクロ用関数のサンプルなども含まれる。

オプションでは、

• ホットキーのカスタマイズ
• フレーズ保存用データベースのバックアップ
• リモートユーザとの間でのフレーズ同期