キーボード配列エミュレータ「やまぶきR」をインストール後、すぐに親指シフト入力が使えるように作成されたインストーラ。「やまぶきR 親指シフトインストーラー」は、yamaさん作の「やまぶきR」を使用して、親指シフト(NICOLA)入力環境を構築したい方向けに作成されたソフト。本インストーラでは、デフォルト状態での設定が「やまぶきR」と一部異なり、インストール後、(一般的な106/109キーボード向けで)すぐに親指シフト入力を利用できるようになる。タスクトレイメニューも拡張され、設定変更を楽に行える。インストール時に、Windowsの「スタートアップ」に自動登録される。
親指シフト入力で使用されるキーボードでは、かな配列として「NICOLA配列」と呼ばれる、通常とは異なるものを使用し、(一般的なキーボードの)スペースバーの位置に【親指右】/【親指左】の二つのシフトキーが配置されている。かな入力の際には、シフトなしの入力に加え、これら二つの親指シフトキーのいずれかと通常キーとを同時に打鍵する、独特の入力方法が取られる。
かな入力なので、ローマ字入力のように変換の必要はなく、同時打鍵方式により、打鍵数も少なくてすむ。文字数が多い日本語かな入力でも、英字キーボードと同じ三段のキーボードで、濁音/半濁音、拗音/促音まで含めたすべてのかな入力を行うことが可能だ。効率のよい入力方式だが、一般的なキーボードにはないキーが必要で、多くのキーボード配列エミュレータでは対応していない。
「やまぶきR」では、親指シフトキーの代替として、位置的に近い「スペースキー」や「【変換】キー」などを利用する。親指シフト入力に必須となる同時打鍵は、「やまぶきR」が独自に監視する。
「やまぶきR 親指シフトインストーラー」によるインストールでは、通常の「やまぶきR」をダウンロード+解凍(展開)した場合とは、
- デフォルトの配列定義ファイルが「NICOLA拗音拡張+α」
- デフォルトの「左親指シフトキー」がスペースキー
- デフォルトの「拡張親指シフト1」が【無変換】キー
- デフォルトの一時停止用ショートカットキーが【Pause】
など、デフォルトの配列定義や設定が異なる。含まれる配列定義ファイルも異なり、「NICOLA拗音拡張」は、「NICOLA拗音拡張+α-ThumbTouch」などを含め、計6種類がインストールされる(代わりに「飛鳥123(Dvorak)」などはインストールされない)。さらに、ユーザが「スタートアップ」への登録を行う必要もない(自動登録される)。「やまぶきR」は、Google日本語入力などのIMEと組み合わせて利用することが可能。Windows 10 64bit版などでも利用できるが、ストアアプリやMicrosoft Edgeでは正常に動作しない場合があるとのこと。