Windows Updateは、ユーザが敢えて指示しなくても自動的にネットワークから更新をダウンロードして更新する、パソコンの安全性を確保する上で非常に重要な機能だ。最近ではWindows以外のアプリケーションも同等の自動更新機能を搭載し、ソフトウェアの問題を解決しているのはよく知られている通り。「Update Freezer」は、この「自動更新」をあえて無効にするための、ちょっと不思議な存在ともいえるソフト。そもそも「なぜ、せっかくの安全機能を止めたいのか?」と思う人も多いだろう。
自動更新の主な問題は、更新時の通信量とパソコンに対する負荷だ。最近は、外出中にモバイル通信でインターネットを使用することもめずらしくないが、モバイル通信では月あたりの通信量の制限があったり、場合によっては通信量で料金が変わる「従量制」であったりする。「データ転送量が多くなりがちな自動更新は、モバイル通信では止めたい」というのは自然なニーズだろう。
Windows 8以降のWindows Updateにはこうした「従量制通信時には更新確認しない」という設定があるが、そのほかではこの設定を持っているものは極めて少ない。そこで必要になるのが「Update Freezer」というわけだ。
多くのアプリケーションが自動更新機能を持つようになったおかげで、「すべての自動更新を停止する」のは、手作業では非常に大変になった。インストールされたアプリケーションのどれが自動更新を行い、かつその機能を停止するにはどういう操作をすべきかを把握しているユーザは多くはないだろう。しかし「Update Freezer」ならば、そうした難しい作業は必要なく、一括で「自動更新の無効化」を設定することができ、しかもすぐに元の状態に復帰させることもできる。
機能だけを見ると「なぜ、こうしたソフトが必要なのか?」と思うかもしれないが、モバイルルータなどを使って、外出先からパソコンを使用するような人には、まさに福音といってよいソフトだ。
(天野 司)