パソコンを長く使っていると、いつの間にか同じ内容のファイルが複数のフォルダに置かれた「重複ファイル」現象がよく発生する。例えば、デジタルカメラで撮影した映像をパソコンに転送しておいても、後日、そのことを忘れて、もう一度同じ内容をカメラからパソコンに転送してしまった、といった場合などだ。「FavDuplicateMovieChecker」は、こうした「重複ファイル」のうち、特に動画にターゲットを絞って重複を発見し、必要に応じて削除できるソフトだ。動画ファイルは一つひとつサイズが大きく、ハードディスクの容量を圧迫することが多い。内容を確認するにも、いちいち時間をかけて再生しないとならないため、同じファイルを発見するのがかなりの手間となってしまう。
「FavDuplicateMovieChecker」のいいところは、動画の要所要所を一連のサムネイル画像で確認できるところだろう。ファイルの一致チェックは全体で行われているわけではないようだが、サムネイル画像によるチェックは、動画ファイルのフレーム画像を4×4で合計16コマ分にわたってチェックできるので、動画の大まかな内容はわかる。もちろん設定次第でサムネイルの枚数は増やせるため、より小まめなチェックが行いたければ、それも可能だ。
ファイルの比較をファイル名ではなく、純粋にファイルのデータ(バイナリ)比較で行っているのも便利だ。動画ファイルの場合、MPGやMPEG、M2Pなどのように、同じファイルでも複数の異なる拡張子が使われることがある。ファイル比較にファイル名を参考にしないので、こうした表記のブレも排除できる。
特に、デジタルカメラで動画撮影を頻繁に行う人にとっては、重複した動画を効率よく見つける作業は重要だ。高速に重複ファイルを探したい人にお勧めできるソフトだ。
(天野 司)