ディスク最適化(デフラグ)ソフトといえば、「ディスクのスキャン結果をマップに表示し、実際に処理している様子をマップの変化で確認できる」というスタイルが長年続いてきた。ところが「Diskeeper 15J」では、そうした伝統的なインタフェースをあっさりと捨て、設定の変更とレポートの表示のみに割り切っている。手動による実行のときぐらいはマップが表示されるのかと思ったが、実際には進行状況のバーグラフが表示されるだけで、従来のマップに相当するような情報は一切出てこないという徹底ぶりだ。オプション設定も極力シンプル化されている。ユーザが積極的に操作するのは、自動処理の実行パターンを設定するための曜日や時間帯設定と、あとはせいぜい除外対象ファイル/フォルダの指定ぐらいだろうか。それでいて、単にマップ上でファイルをきれいに並べ替えるのではなく、パソコンのパフォーマンスが最高になるように配慮して処理を行うというのだから、ユーザは本当に何もする必要がない。
むしろふだんから活用したいのはレポート機能、それも最適化の結果ではなく、システム監視のレポートだろう。CPU使用率やディスクアクセス(I/Oアクティビティ)、リソース使用率といったデータを知ることで、パソコンへの負荷となっている原因を探る手がかりになるし、ディスクの状態を監視してトラブルの兆候をつかみ、バックアップやディスク交換などの目安にすることもできる。これらの機能にも気を配っておくことで、単なるディスク最適化以上のメリットを与えてくれるはずだ。
(福住 護)