二つのフォルダ(ディレクトリ)間でのコピーや移動、削除など、さまざまなファイル操作を行えるソフト。重要なファイルの定期的なバックアップなど、幅広い用途に利用できる。「Zcopy for Win」は、ユーザの指定したソース(Source:コピー元)ディレクトリとターゲット(Target:コピー先)ディレクトリとを比較し、それぞれのディレクトリに含まれるファイル/ディレクトリに対して8種類の操作を実行できる“多機能ファイル転送ツール”。操作内容はシート(タブ画面)に登録しておくことができ、シートを選択して実行するだけで、目的の操作が完了する。パラメータを指定して、コマンドラインで実行することも可能。エクスプローラ風のファイルブラウザ「ZBrowse」が付属する。前バージョン(1.23)からFTP機能が割愛された。
選択できる操作内容は「Copy」「Update」「Sync」「Move」「Delete」「Gather」「Compare」「Find」の8種類。さらに「サブディレクトリ以下も操作対象とするか」「隠しファイルも操作対象とするか」などをオプションで指定できるようになっている。
「Copy」は文字通り、ファイル/ディレクトリのコピー操作。ソースのファイル/ディレクトリがすべてターゲットにコピーされる。
「Update」は「Copy」に似ているが、ターゲットに同名ファイルがある場合は、日付の新しいファイルのみがコピーされる点が異なる。ターゲットには常に新しいファイルが存在する。
「Sync」では「Update」の実行後、ターゲットには存在するが、ソースには存在しないファイル/ディレクトリが削除される。ソースとターゲットに同名のアイテムが存在し、ターゲットの方が新しい場合には、ソースのアイテムは古いまま残る。
「Move」もその名の通り、ソースのファイル/ディレクトリをターゲットに移動するもの。
「Delete」は、ソースのファイル/ディレクトリが削除される。
「Gather」は、ソースからターゲットへのコピーを実行するが、“ターゲットディレクトリの直下にファイルを集める”のが特徴。ソースの操作対象アイテムを一つのディレクトリにまとめることができる。
「Compare」と「Find」はほかの操作とは異なり、ファイル/ディレクトリのコピー/移動は行わない。「Compare」は、ソースとターゲットにあるそれぞれ対応したファイル同士の内容を比較し、異なる場合はファイル名をログに記録する。「Find」は、指定条件に合致したファイルをソースから検索する。
操作対象をマスクで絞り込むことも可能。該当したファイルを対象にする「Include mask」と、逆に対象外にする「Exclude mask」を指定できる。
ソースとターゲットのパス、操作内容、マスク、オプションなどのセットはシート(タブ)として登録でき、シートは複数のものを作成・登録しておくことができる。毎回同じ設定をやり直す必要はない。各シートには「Backup」オプションが用意され、チェックされたものは「バックアップ」を実行するだけで、まとめて順次、実行される仕組み。複雑なパターンのファイル操作をワンタッチで行えるようになっている。
「ZBrowse」は、Windows XPのエクスプローラによく似たツリービュー付きのファイルブラウザ。ソース/ターゲットの閲覧のほか、コピーやプログラムの起動、ファイル/ディレクトリの圧縮・解凍なども行える。