「教師を目指す理由」と「彼女との関係」の二つの問題を抱えた大学生と、彼女の妹とを中心にストーリーが展開してゆく短編恋愛ノベルゲーム。突然、彼女に別れを告げられた主人公は、なぜか彼女の妹の家庭教師に
「優しい心と空っぽの言葉」は、姉の恋人に幼い恋心を抱きつつも、姉との恋愛を応援する妹の気持ちが穏やかに描かれた恋愛ノベルゲーム。一年以上付き合っていた彼女から突然、別れを告げられた主人公の大学生。高校受験を控えた彼女の妹の提案で、妹が二人の仲直りを手伝う代わりに、主人公が妹の家庭教師をすることになる。
ゲームの視点人物となるのは、とある私立大学に通う教員志望の男子学生「秋孝」。物語の季節は秋から冬に移り変わる頃。あと一年もすれば大学生ではいられないというこの時期に、秋孝は二つの悩みを抱えていた。ひとつは、教授から出されたゼミの課題である「志望理由書」がなかなか書けないこと。「教師を目指す理由」を書くだけのシンプルな課題だが、日頃から真面目で成績のよい秋孝に似合わず、信じられないほどの苦戦を強いられていた。
もうひとつの悩みは、彼女の「美帆」から突然、別れを告げられてしまったこと。幸いにも、一度距離を置いて今後の関係を考え直してみようという結論には落ち着くが、関係改善のための糸口が見えない。
そんな状態の中、秋孝は美帆の妹「夏帆」の家庭教師をする日々を過ごしていた。「秋孝と美帆の仲直りを手伝う代わりに、勉強を教えてもらいたい」という夏帆の申し出に、なかば強引に押し切られた形で……。
真面目だが主体性に欠けた性格の秋孝は同時に二つの悩みを抱えてしまう
「三好秋孝」は、物語の形式上の主人公。成績・評判ともによく、周囲からの信頼も厚い優等生。だがそれは、人に喜ばれたり、尊敬されたりするような行動を取るよう心がけているためで、主体性は薄い。誰かに何かを頼まれるとなかなか断ることができず、結果的に彼女との約束が後回しになることが多かった。その積み重ねで、とうとう彼女から「私たち、もう別れた方がいいんじゃないかな」といわれてしまう。
「二階堂美帆」は、秋孝と一年以上前から付き合っている、彼氏思いの優しい彼女。優しい性格ゆえに、悩みをため込んでしまうことも少なくない。たび重なる秋孝の行動で、「本当に秋孝くんは私のことを好きなのだろうか」と不安になり、思いあまって秋孝に別れを告げる。
「二階堂夏帆」は、物語の実質的なヒロイン。美帆の妹で、非常に元気で明るく活発な中学三年生。見かけと年齢に似合わず、実は姉よりも家事が得意。高校受験を数ヵ月後に控えているが、正直、現在の学力では志望校への合格は絶望的。そこで秋孝に勉強を教えてもらおうと、姉には内緒で連絡を取る。