ゲームを開発しようと思った動機、背景
やはり「GPGPUを広めたい」というひと言に尽きますね。GPGPU、これは簡単にいうとグラフィックボード(GPU)を使ってCPUの代わりにすごい計算をさせる技術のことです。私はもともとゲームエフェクトにかなり興味があって、エフェクトをとにかく物理的にリアルにしたいと思っていました。その物理的な挙動を再現するときに膨大な計算量が必要で、そこで欠かせないのがGPGPUでした。いままでCPUだけで計算していたものがGPUを使うことで数十〜数百倍と早くなったおかげで、いろいろなことができるようになりました。エフェクトに限らず、いままで計算量の問題で諦めていたことがどんどん可能になってきていることに気づき、もっとみんなに知ってほしいという思いから、このゲームを作り上げました。
そもそもの出発点は「月面着陸ゲームに流体力学を融合させたものを作ってみたらどうだ」と軽いノリで知り合いから言われたのがきっかけでした。そのころはゲームのエフェクト研究で流体力学のプログラムを作り上げていたころだったので、確かにすぐに作れそうでしたし、きっとすごいおもしろくなるだろうなと思って、約半年くらいかけてじっくり作り上げました。この作品は「ニコニコ自作ゲームフェス5」に応募もしています。
開発中に苦労した点
ゲーム開発がはじまった時点ではもうすでに流体のプログラムは完成していたので、あまりプログラムで苦労したことはなかったですね。ただそれ以外のシナリオ、グラフィック、サウンド、ゲームバランス調節はすべてが苦労の連続でした。私は全然グラフィックが描けないので、なんとか使えそうなフリー素材がないかネットで探したり、どうしてもないものは知り合いに頼んで描いてもらったりと、画像関係の自由度が極端に低かったのは本当に苦労しましたね。
また、シナリオもうまく作ることができず、結局、開発時点で使えるグラフィック素材をすべて並べて、その素材の状況から矛盾のないようなシナリオをひねり出した感じになりました。といっても、いまでは、グラフィック素材で使わせてもらっているプロ生ちゃんのキャラ設定と、このゲームの趣旨がマッチしていることに非常に満足しています。
サウンドは煉獄庭園さんのところから上質なものをたくさん使うことができましたので、これは本当に助かりましたね。なかでも激流ステージに使われている「The escapers fly into the sky」という曲は、このゲームに大きな影響を与えてくれました。最初にこれを聞いたとき、自然と激流ステージの詳細な構想が頭に思い浮かんだんです! さらにステージに漂う粒子にBGMと連動した色をつけるというアイデアも、この曲を聞いたときに思いつきました。なので激流ステージ(2-1〜2-4)は個人的にもかなり印象深いものとなっています。
ユーザにお勧めする遊び方
やはり流体のモヤモヤを見て楽しんでほしいですね。ゲームのスコアはタイムアタック制なのですが、時間にとらわれず流体に目を奪われるくらいの気持ちでやってほしいなと思います。かなりコアなユーザには、一部の状況で再現される流体励起振動や、コンフィグ設定で大きく変わるGPU負荷を見て楽しんでほしいと思います。
今後のバージョンアップ予定
バージョンアップではないですが、プロ生ちゃんのキャラ設定とGPGPUの組み合わせはかなり相性がよい気がしてきたので、次のゲームもまたプロ生ちゃんを使ったバリバリエフェクトのゲームを何か作ろうと考えています。
(pippi)