充実した機能と柔軟な操作性、高いカスタマイズ性が特徴のテキストエディタ。プロジェクト管理機能を備え、アウトラインプロセッサとしても利用できる。「Epsaly(イプサリー)」は、シンプルな文字入力・編集から高度な検索・整形、スクリプト処理までに対応する、高機能な汎用テキストエディタ。タブ切り替え式で複数のファイルを同時に開いて編集できるほか、本体を多重起動させることも可能。テキスト表示領域の表示形式は、編集対象(HTML/CSS/C++など)に応じてタブ画面ごとに切り替えることができる。開いているファイルの状態はプロジェクトとして保存でき、いったん作業を終了しても、次に同じ状態から編集を継続できる。Undo/Redoは、メモリ容量の許容する範囲で無制限に行える。同じ作者・渡辺正彦さんによる「Apsaly」の姉妹ソフトにあたり、内部はUnicode化されている。
選択した文字列に対して変換・整形などを行えるが、文字列の選択方法そのものが柔軟。基本的な文字列選択や行選択に加え、矩形領域選択、カーソル位置に応じて変化するダブルクリック時の範囲選択、正規表現を使ったパターン認識による選択なども可能。特定パターンの認識ではマッチングの条件を三つまで登録でき、カーソル周辺(前後や前のみ、後ろのみなどを指定できる)の文字列からパターンに一致するものを認識して、範囲選択やクリップボードへのコピー、削除などを行える。
入力・編集作業では、
- 改行時の自動インデント
- 箇条書き時に便利な行頭の記号(●や・など)や連番の自動入力
- 入力した略語の正規の表現への変換
- 文字の一部入力時の、候補単語の表示(補完)
- 選択しているすべての行に対する文字列の一括入力
- クリップボードからの一括貼り付け
- コマンドの反復実行
といった機能で省力化を図ることが可能。(短文登録に相当する)慣用語句機能も備え、タイムスタンプやカッコ、記号、制御コード、HTMLのタグ、特殊文字、顔文字、罫線などはあらかじめ登録されている。テキスト表示領域の任意の行を一時的に隠す(折りたたむ)ことも可能。アウトライン機能で一般的な、見出し単位での折りたたみとは異なり、範囲はユーザが自由に指定できる。折りたたまれている範囲は先頭の1行のみが表示され、さらに行頭と行末には折りたたみ個所であることを示すマークが表示される。さらに、マニュアル操作による折りたたみとは別に、テキストの変更個所や文書の構造を自動検出し、まとめて折りたたむ機能も搭載する。
前後の文章を確認しながらの編集に便利なタグジャンプでは、約1,000ヵ所程度をマーキングすることが可能。さらに、見出し行や指定行へのジャンプ、正規表現でマッチした文字列へのジャンプ、対応するカッコやHTMLタグなどへのジャンプにも対応。カーソル位置を3ヵ所まで自動で記憶して簡単に呼び出せる「視点」機能もある。
検索機能も強力だ。正規表現を利用できるほか、複数ファイルからの一括検索(Grep)や、選択中の単語と一致する個所へのジャンプ、見出し文字やタグ、関数名などを含む行の一覧表示なども可能。検索結果や見出しには任意で色をつけることができ、この色もジャンプ先として利用できる。
クリップボードや外部アプリケーションとの連携にも配慮されている。切り取り・コピーした文字列をクリップボードの末尾に追加したり、クリップボードの更新を監視して自動で貼り付けたり、クリップボードの内容を書き出して、直接編集したりすることも可能。エクスプローラ上でファイルを選択→コピーしてからテキスト表示領域に貼り付けると、ファイル一覧のパスとして貼り付けられる。外部アプリケーションでもテキストの書き出しや書き戻しが可能だ。
そのほかにも、
- CSVやタブ区切り形式テキストの桁位置を揃えて編集する機能
- 任意の文字列を暗号化する機能
- 音声読み上げ・入力機能
- スクリプトを利用した辞書検索や郵便番号検索機能
- キーマクロ機能
- 原稿用紙やレポート用紙などの書式に合わせたレイアウト印刷機能
- テキストの比較機能
などを搭載。充実した機能を誇る。