定型文や顔文字、日時などをほかのアプリケーションにすばやく貼り付けられるソフト。クリップボード拡張機能も搭載する。「FlyingChara5」は、時候の挨拶や記号、顔文字、四字熟語など、多数の文字列が収録され、ダブルクリックするだけで利用できる入力支援ソフト。文字列(アイテム)は、大分類(グループ)と小分類(インデックス)で階層管理され、目的のものを効率よく探すことが可能。グループ、インデックス、アイテムはいずれもユーザが自由に編集できる。アイテムには複数行からなる長い文章を登録することも可能だ。
あらかじめ登録されているグループは、
- よく使う100語
- クリップボード
- ビジネス文書
- 暦
- 記号
- ことわざ
- 四字熟語
- 顔文字
- 日時
の計9個(よく使う100語、クリップボードは固定で、削除などはできない)。「よく使う100語」は、「FlyingChara5」の履歴機能にあたり、使用したアイテムが自動的に記録される。「クリップボード」は、クリップボード拡張機能のこと。切り取りやコピーでクリップボードに転送されたデータが自動で登録される。アイテムは日付ごとにインデックスで分類される。「ビジネス文書」には、「1月」から「12月」までの月別のインデックスに時候の挨拶が収録されている。そのほか「定型文」として手紙の書き出しや締めに使う頭語・結語が、また「罫線」には“---”や“〜〜〜”などの記号を利用したセットが登録されている。
「暦」には、「1月」から「12月」までのインデックスに各月の和名や英名、当該月の祝日、二十四節気の名称などが収録されている。インデックスにはそのほかにも「干支」「雑節」「六曜」「九星」がある。
「記号」に含まれるインデックスは「ローマ数字」「丸数字」「学術記号」「点」「矢印」「かっこ」「記号」「罫線」。「学術記号」で選択できるのは四則演算や等号、不等号など。「点」には、句読点やカンマ、ピリオド、コロン、セミコロン、クエスチョンマーク、エクスクラメーションマークなどが収録されている。「記号」は●○■〒♂♀#@※など。「罫線」は「ビジネス文書」グループの同名インデックスとは異なり、┌┘┼といった罫線用の文字が収録されている。
「ことわざ」には、よく知られている代表的なことわざが「あ」行から順に行ごとのインデックスに分類・収録されている。
「四字熟語」には、代表的な四字熟語が「あ」「い」「う」「え」「お」……の各文字ごとにインデックス化して収録されている。
「顔文字」には、「笑い」「喜び」「怒り」など、計19のインデックスに分けて、多数の顔文字が収録されている。
「日時」では、パソコンの内蔵時計をもとに、さまざまな書式の日時を貼り付けられる。曜日のみや前日の日付を貼り付けることも可能だ。
アイテムの表示順は、文字列、読み方、更新日、登録日、ユーザ指定順、よく使う順から選ぶことができる。文字列のアイテムとは別に【Enter】キーや【Tab】キーに相当する制御文字を入力するための独立したボタンを備えている。
アイテムの入力は基本的に「FlyingChara5」が直接行うが、アプリケーションによっては正常に動作しない場合もあるため、クリップボード経由で貼り付けを行うためのオプションも用意されている。
グループ、インデックス、アイテムの編集はそれぞれ専用のダイアログを利用して行う。新規作成、削除、編集のほかに、非表示設定も可能で、不要なものは隠しておくことができる。アイテムの編集では、文字列編集用機能のほかに日付編集用機能もあり、メタ文字を使って書式を設定できるようになっている。
オプションで設定できる項目も豊富。さらに拡張設定を複数登録して切り替えることで、ペースト先のアプリケーションに応じて使い分けることも可能。拡張設定で指定できる主な機能には、
- 常に最前面に表示する
- 自動的に隠れる
- 画面上にマウスがないときの透明度の指定
- 文字列の送信後に【Tab】/【Enter】キーを送信する
- 送信する文字列の前または後ろに特定の文字を付加する
- クリップボード履歴保存時に「クリップ」ボードグループではなく、選択中のグループ/インデックスに登録する
- クリップボードに転送されたデータに改行やカンマが含まれる場合、自動的に分割して履歴に記録する
- クリップボードに転送されたデータに特定の文字列を含む場合、それをほかの文字に置換して履歴に記録する
がある。そのほかにも、データ送信先となるアプリケーション(ターゲット)名の表示、データのバックアップ・復元、旧バージョンデータの読み込み、古くなったクリップボード履歴の消去、現在登録されているデータ容量の表示などの機能がある。データは最大2MBまで登録できる。