マウスで自機の動きをコントロールする、操作方法がユニークな短編SFアクションゲーム。個性的なキャラ同士の会話も楽しめる。未知の惑星から脱出する資材を求め、天を臨む樹の頂を目指す
「RainyTower」は、「失速して落下すれば、腐食性のある液体に溶かされてしまうという危険の中、マウスでブースターをコントロールし、天を臨む樹の頂を目指す」という設定のアクションゲーム。難易度は少し高めだが、プレイを重ねて自機の装備を強化してゆくことで、アクションゲームがあまり得意ではない人でもクリアできるようになっている。
ゲームの舞台は銀河の未踏宙域にある未知の惑星。「銀河辺境探検隊」の宇宙船はワープ時の事故で通信機器も航行装置も壊れてしまうが、何とかこの惑星に不時着した。
ところが、やっとのことで辿り着いたこの星はひどいところだった。地上は、有毒な成分を含む雨が降り続き、雲が覆いっぱなし。日光発電もできない。あてにしていた地下資源もなく、船を修理できそうな見込みもない。幸いなことに、船の有機物還元システムは生きているため、隊員が慎ましく生きてゆくことはできる。「最悪、この星に腰を落ち着けるしかないか」と諦めかける一同。
さらなる調査の結果、この惑星に生えるどでかい「樹」の天辺に、帰還に必要なエネルギーが存在することが確認される。その何かを持ち帰って船を修理すれば、帰還することができる。
とはいうものの毒の雨の中、「樹」の外側を上っていったら死んでしまう。スキャンの結果、幹の中は空洞であることがわかり、内部から「樹」の天辺を目指すことになる。「樹」の免疫作用で内部の移動も危険だが、外側から上るよりはまだまし。かくして「オペレーション・レイニータワー」が発動される……。
個性的な隊員たちのSFチックな会話を楽しもう
宇宙船に乗り組んでいる「銀河辺境探検隊」のメンバーは全部で3名。主人公の二等探索官「ワサビ・カムボーン」は、今回の探索が初任務の犬顔の青年。アカデミーを出たてで、年齢は今年でちょうど100歳と若い。両親も探検隊の所属だったが、ワサビが生まれてすぐに未知の星系に飛び出し、それっきり音沙汰がない。ワサビは両親が探検隊員だったことを知り、小さいころから探検隊に入ることを希望していた。「広い宇宙のどこかで、ひょっこり両親と出会えるかもしれない」という希望を抱いている。
技師の「コーン・シッポスキー」は狐顔をした、探検隊の紅一点。1000年の生涯をひたすら技能の習得に努めてきた、あらゆることができる万能タイプ。機器のメンテナンスや装備の研究開発その他を一手に手がける。コーンがいなければ、この艦は成り立たない。にっこりと微笑みながら、何も考えてない隊長をお仕置きするSな人。
隊長の「ホー・クロウ」は、探検隊の自衛部門出身。未開宙域開拓の護衛、被災地域や紛争地帯での救助、バイオハザード事案の鎮圧作戦など、さまざまなミッションをこなしてきた。ジョブローテーションで探索部に配属されて隊長となるも、本人はそのことを不満に思っている。事務作業以外は有能。
ワサビ、コーン、ホーのほかにも、ゲームが進むと新たなキャラクタが登場する。メニューの「雑談」を開くことにより、ワサビとほかのキャラクタとの会話を楽しめるようになっている。
オーバーヒートによる失速やブロックへの激突を避けながら、幹の中を上昇しよう
ゲームの内容は、マウスによる自機のコントロールが中心のアクションゲーム。目的は、ブースターを噴射して「樹」を上りつめること。自機のワサビを挟んで、マウスカーソルと進行方向の矢印が表示される。マウスを動かして進行方向を決定し、左クリックでブースターを噴射。これにより空中を移動する。マウスカーソルの位置と進行方向が真逆なので、慣れるまではなかなか思い通りにコントロールできない。
連続噴射するとブースターの温度が上昇する。画面右端上部の温度ゲージが100%を超えるとオーバーヒートして、それ以上推進できなくなる(温度はブースターの噴射を止めると徐々に下がる。小刻みな噴射の繰り返しを行えば、オーバーヒートを抑制できる)。
オーバーヒートで推進できなくなると当然落下する。ワサビが画面下まで落下すればミス。ただし、画面右端の「ワサビゲージ」の菱形が黄色いときは「緊急回避装置」が自律作動し、記憶が転写されたワサビクローンが元の座標に直ちに送り込まれ、セーフとなる。次のワサビがチャージされていないときに落下するとミッションは失敗。ワサビゲージは時間の経過とともに徐々にたまり、満タンになると次のワサビクローンがチャージされる。
落下以外に注意すべきなのは、ワサビの体力(Health)。「樹」の中のブロックなどに勢いよくぶつかったり、敵に接触したりするとダメージを受け、体力が減る。体力が0を下回ると、強制的に帰還させられてしまう。