詐欺師と嘘喰いドラゴンの二人を軸に展開される、現代風のおとぎ話。ゲームの体裁としてはRPGだが、実態はノベルゲーム寄りと考えてもよいのではないだろうか。独特な世界観と味のある憎めないキャラクタ、物語の要所要所で挿入される美しい一枚絵、耳に心地よいBGMと揃い、楽しく気持ちよくプレイできた。
「LiEat2」は、全三話を予定しているうちの第二話という扱いのようだが、第一話(「LiEat -嘘喰いドラゴンと朱色の吸血鬼-」)をプレイしていなくとも戸惑う点はない。だがもちろん、第一話をプレイしていれば、より作品世界に没入でき、キャラクタにも愛着が湧くのは間違いない。
なお、本作品では人間、亜人間を含めて、すべてが「人間」と呼ばれ、二足歩行をしていて言葉を操れさえすれば、容姿による区別はなされない。「ドラゴン」も容姿だけを取れば人間と区別がつかないが、こちらは魔法が使えることで人間とは別の存在と見なされている。そういう世界を舞台にした物語だ。
気軽に楽しむことができ、読後感のよい物語だ。強いていうならば、本作品だけで(一応)完結しているとはいえ、やはり三部作の中間ということもあり、若干の物足りなさはあった。一作目の「LiEat -嘘喰いドラゴンと朱色の吸血鬼-」と、これから発表されるであろう三作目をあわせてプレイすることで、満足度が高まるのではないだろうか。
(秋山 俊)