さまざまな種類のバックアップを“数クリックするだけの操作”で行えるソフト。ハードディク/SSDからのデータ移行も簡単に行える。「DriveClone 10 Workstation」は、ハードディスク/SSDやパーティションのクローン作成、ミラードライブや仮想マシンファイル(VMファイル)の作成などを行えるソフト。Windowsシステムがインストールされた、起動可能なドライブのクローンを作成することも可能。コピー元とコピー先との容量が異なっていたり、ハードディスクとSSDなどのようにディスクの種類が異なったりしていてもクローンを作成できる。米・Farstone社製同名ソフトの日本語版。
搭載されたバックアップ機能は大きく分けて、
- ドライブ/パーディションのクローン作成
- ミラードライブ
- 仮想マシンファイル(VMファイル)へのクローン/変換
の三つ。「ドライブ/パーディションのクローン作成」では、コピー元のディスク/パーティションとまったく同じ内容のクローンを作成できる。コピー元のディスクが複数のパーティションから構成されていれば、コピー先にも同じ構成を再現。コピー元が起動ドライブの場合は、コピー先も起動可能ドライブとなり、ディスクを付け替えれば、そのままクローンからシステムを起動できる。コピーは(セクタ単位ではなく)ファイル単位で行われる。コピー元のディスクが断片化すていても、クローンでは断片化が解消され、デフラグを行ったのと同じ状態になる。コピー元とコピー先のディスク容量が異なっていても、クローンを作成することが可能。クローン作成時に不要ファイルを削除し、サイズの小さなディスクにコピーする機能もある。
コピー元とコピー先とのインタフェースが異なっていてもよい。例えば、ノートパソコンの内蔵ドライブから、USB外付けハードディスクにクローンコピーを作成することも可能だ。
さらに、2TBを超えるドライブで使われる「GPT」や、2.2TB超のドライブから起動する際に使われる「UEFI」にも対応する。
「ミラードライブ」では、一度「ミラー」を作成したあと、コピー元のディスク内容が変更された状態から「差分コピー」を行える。通常のクローンでは、コピー後にコピー元の内容が変更されると、再度全体のコピーを取らない限りクローンと内容は一致しないが、「ミラードライブ」の差分コピー機能では、変更された部分だけがコピーされる(再びコピー元とコピー先との内容が一致する)。もちろん通常のクローンと同様、コピー先からの起動なども可能。最大99世代までの差分を保存でき、過去のディスク状態を再現できる。
「仮想マシンファイル(VMファイル)へのクローン/変換」では、コピー元のクローンを仮想化ソフト「VMware」または「Hyper-V」の仮想ディスクイメージにすることが可能。コピーされた物理ディスクのクローンイメージは、バーチャルマシンでマウントすることにより、ディスクとして認識される。
仮想化されたディスクイメージは、元のディスクが起動可能であれば、仮想マシン内でも起動可能として扱われ、物理コンピュータ上で動作している環境をそのまま仮想マシン内に持ち込める。物理コンピュータと仮想マシンとではハードウェア環境が異なるため、OSの起動後にPlug & Playによってドライバの組み込みなどが行われるが、ディスクレベルでの「P2V」を実現できる。