RPG的異世界からの脱出を目指す、ちょっとダークな“Web連動型”短編ノベルゲーム。売れないゲーム制作者が自分の構想したゲームの世界に飛ばされる
「セブンスコート」は、ある売れないインディーズゲーム制作者と彼が運営するサイトの常連たちの真実の姿が描かれたノベルゲーム。わけもわからず突然、RPG的異世界に飛ばされてしまった彼らの運命は!? ゲームの主人公が管理しているサイトも実際に作成され、あわせて見ることでゲームのおもしろさがさらに膨らむ。
ゲームの主人公はニート青年の「ミシェル・ボランジェ」(27歳)。組織の中でのゲーム制作に絶望したミシェルが活路を求めたのはインディーズゲームだった。「ロワイヨムヘブン」というサイトを運営し、サイト上でいくつかのゲームを発表していた(ハンドルネームは「Dark†Knight」)。しかし、ミシェル自身の少しねじれた性格に起因するユーザビリティの悪さもあり、一部熱心な常連はついているものの、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。
そんなある日、ミシェルは突如、異常な現象に巻き込まれる。目の前に16bitパソコン時代のゲームを思わせるような文字列が表示され、名前の入力を求められたのだ。なかばパニックに陥りながら本名の登録に成功すると、「ようこそ みしえる セブンスコート へ」の文字のあと、空中に放り出されて地上に落下した。目覚めたミシェルの前にいたのは一人の少女だった。
少女から問い詰められるミシェル。そして少女とその兄との会話を続けるうち、二人が「ロワイヨムヘブン」の常連で、ここがミシェルが四年前に構想だけして、実際には制作しなかったRPG「セブンスコート」の世界であることが判明する……。
ちょっと痛い主人公のサイトに集う常連はやはりみんなちょっとおかしい
「ネリー・ローズ」は、気が強くてわがままなところがあるものの、愛嬌があって憎めない、快活な14歳の少女。兄を強く慕い、兄と一緒なら元の世界に戻れなくてもよいとまで思っている。ハンドルネームは「PinkyRose」。
「メル・ローズ」は、ネリーの兄で17歳。妹のいうことを何でも聞く、心優しき少年だが、やや主体性に欠け、気弱な面もある。ハンドルネームは「MELL」。
「ヤコボ・ベアルザッティ」は、自らを若きエリートといってはばからない、26歳の傲慢な青年。「J.B」というハンドルネームで、サイトを荒らす書き込みを頻繁に繰り返していた。
「ジゼル」は、ミシェルの恋人で21歳。ミシェルがいままでにリリースした作品すべてに対して熱心で細かく、丁寧な長い感想を書いてくれた初めての人物。ゲームに関する知識はほとんどないが、ミシェルの作品のファンで、ミシェルをクリエイターとして尊敬している。
「IMEON(本名は不明)」は、ロワイヨムヘブンの常連兼ミシェルの長年の友人。大学生の頃にMMORPGで出会い、意気投合した。実際に会ったことはなく、ネット上での付き合いだけだが、ミシェルがどんなことでも相談できる唯一の存在。
「AID(本名は不明)」は、やはりロワイヨムヘブンによくアクセスしていた人物。ただし、ゲームなどの知識はほとんどない(ようだ)。職業は格闘技の指導者。
そのほかにも個性的なキャラクタが登場し、物語が展開してゆく。