オンラインサービスを利用することで、クラウドストレージへのバックアップだけでなく、ほかのユーザとの間でのバックアップも可能にした、ユニークなバックアップソフト。ローカルマシン上でのバックアップであってもユーザ登録(ユーザ名、メールアドレス、パスワード)とログオンが必要となる。今回、筆者はLAN上のパソコンで試用した。ネットワークドライブ経由でバックアップするのに比べて、さほどメリットがないように思えるかもしれないが、外出先のモバイルパソコンからオフィスへデータを送信するような使い方ではかなり便利ではないかと思う。
また、自分のパソコンにデータを保存させてあげるために、わざわざ「友だちを招待する」というのは一見妙に思えるかもしれないが、これもビジネスユースで部署内全員のデータを集約すると考えれば、わかりやすいのではないだろうか。
実際に使用する上では、バックアップ設定の方法(というか考え方の違い)について注意しておきたい。多くのバックアップソフトでは、(1)バックアップ対象、(2)保存先、(3)実行スケジュールの三つをまとめたバックアップセットをひとつのタスクとするのに対し、「CrashPlan」では、バックアップ対象と実行スケジュールはアプリケーション全体に対する共通の設定だが、保存先は複数の設定が可能になっている。つまり同じバックアップ対象を、ローカルの外付けハードディスクとオンラインストレージといった異なる場所に保存できるわけだ。
このため最初はちょっと戸惑うかもしれないが、ほかのパソコンや友だちのパソコンへのバックアップと組み合わせることで、これまでのバックアップソフトとはちょっと違った使い方ができそうだ。
(福住 護)