“ハードディスクに保存されたすべてのデータを安全に守る”ための高機能バックアップソフト「Acronis True Image」の新バージョン。「Acronis Cloud」との連携などが強化された。「Acronis True Image」は、システムを含むドライブ/パーティション、フォルダ/ファイルを簡単な操作でバックアップできるソフト。スケジュール実行やディスクのクローン作成にも対応し、さらにはセキュリティ関連機能も搭載する。新バージョン「2014」では、アクロニス社が提供するクラウドサービス「Acronis Cloud」との連携が強化され、従来のファイル/フォルダ単位だけでなく、ディスク/パーティション単位でのバックアップも可能になった。「Acronis Cloud」からのベアメタル復元にも対応した。
メイン画面は、
- 機能の紹介と基本的な操作を行うための「スタート」
- バックアップの実行やデータの管理、復元などの操作を行う「バックアップとリカバリ」
- パソコンとiOSやAndroid搭載のモバイル機器との間でデータを共有するための「同期」
- そのほかの補助的な機能がまとめられた「ツールとユーティリティ」
の四つのタブ画面で構成される。「スタート」タブ画面には、初心者向けの機能解説と最も基本的な操作を行うためのボタンが並ぶ。機能解説用の大きなボタンをクリックすると、バックアップやリカバリの操作方法が画像で解説されるほか、「Acronis Cloud」へのバックアップ(5GBの領域が1年間無料)や「Acronis Cloud」を利用したデータの共有・公開方法も紹介される。実際にバックアップやリカバリ、「Acronis Cloud」へのバックアップを行うためのボタンも用意されている。
「スタート」が初心者向けの入門ガイド的な役割を果たすのに対し、本来の操作画面となるのが「バックアップとリカバリ」タブだ。ツールバーには「ディスクとパーティションのバックアップ」「ファイルのバックアップ」「その他のバックアップ」「ブータブルメディアの作成」「バックアップの追加」「リカバリする」の各ボタンがあり、画面にはバックアップしたデータの情報が一覧表示される。
「その他のバックアップ」では、「電子メールのバックアップ」「ノンストップバックアップ」を利用できる。電子メールのバックアップでは、OutlookやOutlook Express、WindowsメールなどのメールデータやWindows Liveのメッセージ、さらには設定などをバックアップすることが可能。ノンストップバックアップは、保護対象に指定したファイルが5分おきに自動で増分バックアップされる機能だ。
バックアップ設定を行う画面は「ソースとなるドライブまたはディスクの選択」「保存先の設定」「バックアップスケジュールとスキームの選択」の三つを基本に、シンプルにまとめられている。保存先は、ローカルハードディスクやクラウドストレージ以外にも、FTPサーバやネットワーク接続ハードディスク(NAS)も指定できる。
スケジュール設定は日単位、週単位、月単位のほかに「イベント発生時」を指定することができる。ユーザログオン/ログオフ時、システム起動時、シャットダウンまたは再起動時を指定することが可能。バックアップスキームでは、バックアップの種類(完全、増分、差分)を指定するが、汎用性の高い設定として、完全と差分/増分とを組み合わせて、自動的に世代バックアップを取れる「バージョンチェーン」も用意されている。ユーザがカスタム設定を登録することも、もちろん可能だ。
そのほかにも上級者向けのオプションとして、圧縮レベルや処理の優先順位指定、バックアップ先の容量不足などをメールで通知するための設定、除外対象の指定、バックアップファイルのバスワード保護、分割、予備コピーの作成といった項目も用意されている。
データの復元では、ディスク/パーティション単位の復元とファイル/フォルダ単位での復元に対応。まっさらな状態のパソコンに復元する「ベアメタル復元」や、異なるハードウェア構成のパソコンへの復元(引っ越し)も行える。「Acronis Cloud」から復元を行う場合は変更部分のみが処理され、作業時間を短縮できる。
「同期」タブ画面は、パソコン同士やiOS、Android搭載のモバイル機器との間でデータを同期する場合に使用する。ユーザアカウント(Acronicsアカウント)を使ってログインすることで利用できるようになる。
「ツールとユーティリティ」タブ画面には、バックアップ以外の補助的な機能がまとめられている。仮想環境を使って安全にプログラムをテストできるTry&Decide、ディスクのクローン作成、レスキューメディアの作成、リカバリマネージャ、ファイルを安全に保護できる領域を作成するセキュアゾーンの管理などの機能に加え、履歴の消去、ファイルの抹消、ディスクやパーティションの消去といったセキュリティ対策機能も搭載する。
そのほかにも、
- ドライブ増設をウィザード形式で手助けしてくれる機能
- バックアップ設定のインポート/エクスポート機能
- バックアップイメージのマウント/解除機能
- OSが対応していない場合でも2TB以上のハードディスクを扱えるようにする「Acronics容量拡張マネージャ」
などを備える。対応するデバイスはハードディスクのほか、SSD、CD-R/DVD-Rなどのリムーバブルメディア、USBやIEEE接続のデバイスなど。ファイルシステムはFAT16/32、NTFS、Ext2/Ext3/Ext4、ReiserFS、Linux SWAPに対応する。