フォームの入力や回覧のような高度な機能は追わずに、ページの削除や並べ替え、ファイル同士の結合といったベーシックな編集機能に絞られているところが特徴。PDF文書そのものを作成する機能は持たないが、これは「Utility」がつかない「CubePDF」というソフト(仮想プリンタドライバ)がカバーする。ありがたいことにこちらも無料なので、それぞれにダウンロード&インストールする手間を惜しまなければ、誰でも簡単にPDF作成環境が手に入るというわけだ。
「小規模なオフィスなので、回覧機能を使うまでもなく、ファイルを手渡しした方が早い」だとか「もっぱら配布専用なので、フォーム入力(とそれによるデータの回収)の必要性がまったくない」といった方には「CubePDF Utility」の機能でも十分だ。ウィンドウ上に並んだサムネイルを直接操作して、削除や入れ替えを行える直感的なユーザインタフェースは、誰でもすぐに使いこなせるだろう。
印刷やページジャンプといった機能も省かれているが、前者はPDFビューアで補えるし、後者はサムネイルの表示サイズを小さくすることで、たくさん並べることができるため、閲覧性は悪くない。
あとはコンテキスト(右クリック)メニューから「プレビュー」を選び、ページの内容を確認した上で操作すればよいわけだが、個人的な提案としては、サムネイルを一定時間ポイントすると、プレビューがポップアップするような仕組みがあれば、より便利になりそうな気がする。さらに、ホイール操作でプレビューページが前後へ移動したりすると、内容の確認がよりスムーズになりそうだ。
現時点でのバージョンは0.2.2βとまだまだ若い。今後のブラッシュアップにも期待したい。
(福住 護)