もはや機能的には行きつくところまで行ってしまい、あとは毎年干支のイラストを入れ替えるくらいしかないのではないかと心配してしまうのが、はがき・年賀状作成ソフトだが、外野の勝手な心配をよそに、それでも進化は止まらない。2014年版の「筆まめ」は、使って便利な新機能と、年賀状をもらった人がうれしくなるようなデザイン性を強化してきた。レイアウトを助けてくれるのは「年賀状ナビ」。豊富なテンプレートをベースに、ウィザード形式でデザインや文面のカスタマイズを行える機能で、テンプレートをそのまま使いたくない人にぴったりだ。
送る相手を「恩師・先輩」や「友人・同僚」などで選び、デザインの雰囲気を「定番」「和風」「華やか」「シンプル」といったテーマで指定すると、次のステップではテンプレートを中心に、イラストや背景、文章などが個別に変更されたバリエーションが現れる。
周りに並んだバリエーションの中から気になるものを選ぶと、今度はそれが中心となって、また異なるバリエーションが展開される仕組み。イラストや文章を入れ替えながら、どちらがよいかと考えをめぐらせる手間が省ける。「やっぱり前の方がいいかな〜」と思ったら、「戻す」ボタンをクリックすればよい。
一方、もらった方を楽しませてくれるのが「宛名デコ」と「初笑い年賀状工房」だ。「宛名デコ」は、宛名面にイラストや背景画を入れられるもので、これまで文字だけで素っ気なかった宛名面が一気に華やかになる。「ビジネス相手への年賀状であまり派手な文面ははばかられるが、どこかでちょっとしたアクセントをつけたい」といったときにもよいのではないだろうか。
それに対して「初笑い年賀状工房」は、親しい友人相手向きといったところ。写真をベースに効果線や擬音の描き文字を入れて漫画風に仕上げたり、多段組みテンプレートを使った新聞風のレイアウトしたり、月ごとに1枚の写真を並べた「年間思い出年賀状」にしたりなど、ひと味違った個性的なデザインが、見る人をニッコリさせることだろう。
(福住 護)