大勢のキャラクタが登場するにもかかわらず、一人ひとりが実に丁寧に描き込まれた力作ゲームだ。メインキャラだけでなく、脇キャラまでしっかりと作り込まれているのが凄い。前作「タイムパーティー」のメインキャラや脇キャラだけでなく、作者が過去に制作した格闘ゲームからの参戦キャラなどもいる。時間をかけてじっくりと練られたキャラが多いからこそ出せる味だろう。キャラクタグラフィックがアリ物のため、とても小学生には見えない点はご愛敬。精神年齢的にも小学校高学年レベルとは思えないが、むしろこのグラフィックとは合致している。ゲームの内容は、モンスターと戦うオーソドックスなRPGだが、シナリオごとにいろいろと工夫され、ボリュームも手頃だ。ゲームの肝はシナリオそのものなので、ゲームバランスとしてはこのくらいでちょうどよい。
次にイベントが起きるポイントに「!」が表示されているのもわかりやすい。だからといって、「!」ばかりを追いかけるのはお勧めできない。くまなくフィールドを移動し、大勢のキャラと会話楽しんでからイベントを引き起こすのがベストだ。
七不思議を制覇したあとのシナリオも用意されているようなので、ぜひ最後まで楽しんでいただきたい。
(秋山 俊)