近年、パソコンのハードウェアで目覚しい進歩を遂げているのが、大容量の不揮発性メモリを使い、ハードディスクを代替するSSDだ。物理的動作をともなう部分がなく、入出力が高速。ランダムアクセスでも速度低下がなく、衝撃にも強い。さらに消費電力も少なく、騒音も発生しない。持ち運ぶ機会が多いモバイマシンに打ってつけともいえる機器で、その高速性や静粛性から、デスクトップパソコンでの利用にも向いている。ハードディスクをSSDに置き換える場合には、Windowsがインストールされたシステムドライブ──一般的に「C:ドライブ」──を置き換えるのが効果的だ。プログラムの起動やスワップファイルのアクセスなど、システムドライブはほかのドライブに比べて、アクセス頻度が高い。高速な入出力が可能なSSDと入れ替えれば、最大の改善効果が得られる。「ファイナルハードディスク入れ替え 14 plus」は、このシステムドライブの入れ替えに特化したアプリケーションだ。
さて、このSSD、ハードディスクと比較した際の数少ない難点は、現時点ではまだ、容量の点で及ばないこと。ハードディスクの場合、ノートパソコン用の2.5インチタイプでさえテラバイトクラスが当たり前になりつつあるが、SSDではまだ128GB〜512GBあたりが主流。結果、ハードディスクからSSDの入れ替えでは「より大容量のディスクをより小容量のSSDにコピーする」といったことになる。
しかし、上でも説明したように「ファイナルハードディスク入れ替え 14 plus」では、こうした、より小容量のディスクへのコピーにも対応しており、まさにSSDへの移行に最適。大容量のディスクを使っていても、実際の使用量がコピー先のSSDよりも小さければ移行可能なのだ。仮に、使用量が多い場合であっても、あらかじめほかのメディアにデータのバックアップを取るなどして準備しておけばよい。
操作も簡単で、SSDへの移行を考えている人にとっては非常に魅力的なソフトとなるはずだ。
(天野 司)