戦闘で倒した敵を仲間にできる、ユニークなシステムのRPG。200種類近い魔物が登場する。仲間とともに身を隠して生きる魔物「イクシア」を中心に進む物語
「夢遊猫スカーホワイト」は、ストーリーやグラフィックに独特の雰囲気がある、独自性の高いRPG。戦って倒した魔物を仲間に迎え入れ、パーティのメンバーを充実・強化できることが特徴。遭遇した魔物の詳細情報を閲覧可能な辞典を埋める楽しみもある。
ゲームの舞台は、人間が存在しない、悪魔と魔物だけが棲む世界。主人公となるのは魔物の少年「イクシア」。「傷」の魔物で、自身の身体を傷つけて絶大な力が得られる「代償」を操ることができる。特定の相手に恨みを抱いて、相手の居場所を察知することも可能。ただし、使うたびに心が荒んでゆく代償を支払わなくてはならない。
イクシアは、傷だらけの禍々しい姿のため、周囲の者から忌み嫌われながら生きてきた。それゆえか、困っている者を見ると助けずにはいられない。助けた魔物を連れてきては、自身の隠れ里に住まわせている。
イクシアと、幼馴染みで大親友の「ラスカー」、そして隠れ里の魔物たちが中心となり、物語が紡ぎ出されてゆく……。
里の仲間は心に何らかの傷を負う、個性的で魅力的なキャラクタばかり
「ラスカー」は、家出前は名家のお坊ちゃんだった、お気楽な少年。お調子者だが、誰よりも友だち思い。「煩」の魔物で、能力は「邪な心を操る」こと。心に宿る苦悩や葛藤を大きくし、相手を攪乱する戦術を得意としている。
「フレイティ」は、いつも「ちゃっくん」という名前のぬいぐるみを抱えている、病弱で気の弱い、しかし心優しい男の子。魔物にいじめられていたところをイクシアに助けられ、隠れ里で雑貨屋を営んでいる。「虐」の魔物で、「傀儡」を操れる。
「ストレイン」は、自らの身体を拘束する衣装を身につけた少女。里の仲間に対してはクールな言動をとるが、人見知りで、初対面の相手には緊張してうまく話せない。里では武具屋を営み、素材を持ち込んで頼むと、武具や消耗品などを錬成してくれたりもする。「縛」の魔物で、「熱」を操ることができる。
「パラム」は、他人の傷を見ると興奮する性質を持つ少年。隠れ里では医者をしており、怪我を治してくれるほか、各エリアの情報を教えてくれたりもする。「妄」の魔物で、「ヒモ」を操る能力がある。
「ミルル」は、第一話の最後にイクシアたちが出会う不思議な男の子。「白」の魔物で、自分のやりたいと思ったことを実現できる能力を持つ。各地を旅していたが、イクシアたちを気に入り、里に滞在するようになる。
ストーリーや掲示板の依頼で示された目的を果たし、物語を進めてゆく
ゲームの内容はファンタジー系のRPG。ほぼ全面的に独自のシステムを採用する(一般的なRPGのつもりでプレイしていると、ストーリーを先に進めることができないこともある)。
起点となるのは、主人公たちが住む、嫌われ者たちの里。各話とも、ここから行き先のエリアを指定して、ジャンプする。ワールドマップなどはない。移動可能なエリアは、ストーリーの進展につれて増えてゆく。
戸惑うのが各話のクリア条件だ。話数によって、冒頭でストーリーが展開され、目的が明示される場合と、ストーリーや目的の提示なしにはじまる場合とがある。目的が示された場合は、目的を果たすよう行動すればよい。
目的が示されなかった場合は、移動できるエリアで闇雲に行動しても──パーティメンバーの強化にはなるものの──ストーリーは進展しない。物語を進めるには、里の掲示板で「緊急依頼」と書かれた、エリアボスを倒す依頼を受ける必要がある。依頼には、指定された魔物を指定の数だけ倒すものもあり、達成するとアイテムやお金を獲得できる。ボス戦以外は、同じ依頼を何度でも受けることが可能。物語を進める前のレベル上げとして活用したい。
掲示板の依頼の右上には、依頼の全数が表示されている。見落とさないよう、注意する必要がある。