画像から不要な背景を除去して、必要な部分だけを切り抜くためのソフト。「切り抜き専科(画像背景透過エディタ)」はその名の通り、画像の切り抜きに特化したグラフィックエディタ。画像の背景を簡単な操作で透過させることができる。背景の透過だけでなく、指定色による着色や画像の回転、色反転、グレースケール変換などの機能も備える。BMP/JPEG/GIF形式ファイルの読み込みと、BMP/JPEG/GIF/透過GIF/PNG/TIFF形式での書き出しに対応する。
背景を透過させる方法として用意されているのが、
- ペンを使って透過部分を指定する「ペンモード」
- バリア(防御壁)を作成し、バリアの内側または外側を一気に透過させる「バリアモード」
の二つ。「ペンモード」では、ペン先がある位置の色を透過させることができる。処理にあたっては「処理範囲」「対象色」を指定する。処理範囲(全範囲または指定範囲内)と対象色(すべての色または近似範囲)との組み合わせにより、- 処理範囲:全範囲+対象色:すべての色
画像全体に対して、ペン先にある色を透過色に置き換える(注1) - 処理範囲:指定範囲内+対象色:すべての色
指定したペン形状、サイズの範囲にあるすべての色を透過色に置き換える - 処理範囲:全範囲+対象色:近似範囲
画像全体に対して、ペン先にある色に近い色を透過色に置き換える - 処理範囲:指定範囲内+対象色:近似範囲
指定したペン形状、サイズの範囲にある、ペン先の近似色を透過色に置き換える
といった処理を行える。透過色に置換する色の近似範囲は1〜9の範囲で指定することが可能。ペン形状は「矩形」「楕円」「三角形」が用意され、それぞれサイズと扁平率、傾きの方向、扁平方向を指定できるようになっている。ペン先の色、RGB値の表示、pixel単位でマウスカーソルを止める「カーソル自動合わせ」など、操作をアシストする機能も用意されている。さらにペンモードでは、透過色への置換のほか、指定した色に置換したり、透過色を近くにある色で埋め戻したりといった処理も行える。
「バリアモード」は、画像内にバリア(防御壁)で囲ったエリアを作成し、エリアの内側または外側をまとめて透過色と置き換えるモード。バリアは、指定した折点を結んで作成する。折点の移動・追加・削除や範囲の拡大・縮小などは自在に行える。バリアは保存しておくことも可能で、同じような画像の処理に再利用できる。
そのほかにも、指定範囲の切り取りやコピー、トリミング、色反転、グレースケールといった処理を行うことが可能。画像全体を見ながら作業を行えるナビ機能なども搭載されている。
- (注1) 処理範囲、対象色の定義からは画像全体を透過色に置き換えることになるが、実際にはこのように動作する。