高い検出力で定評のあるウイルス対策ソフト「カスペルスキー アンチウイルス」の新バージョン。アプリケーションのぜい弱性を攻撃するエクスプロイトに対する防御をはじめ、数多くの機能強化・追加が図られた。「カスペルスキー アンチウイルス」は、ウイルスやネットワーク攻撃、フィッシング詐欺といった脅威からパソコンを守ってくれる、パーソナルユーザ向けのセキュリティ対策ソフト。新バージョン「2013」では、新たにぜい弱性ブロック機能が追加されたほか、セキュリティキーボードの強化、ウイルス定義データベースのコンパクト化によるアップデート時間の短縮など、さまざまな改良が行われた。
インストールすると自動的に保護が開始され、「ファイルアンチウイルス」「メールアンチウイルス」などの機能がリアルタイムでパソコンを守る。
- ファイルアンチウイルス──ファイルのオープン時や保存時、実行時などに自動でスキャンし、ウイルスの駆除または感染したファイルの削除を行う
- メールアンチウイルス──POP3/SMTP/IMAPなどのプロトコルに対応し、メールの送受信時にスキャンを行う
- ウェブアンチウイルス──Webトラフィックを保護し、危険なスクリプトが実行されるのを防ぐ
- メッセンジャーアンチウイルス──ICQやMSNメッセンジャー、Yahooメッセンジャー、IRCなどの送受信メッセージをチェックする
- ネットワークモニタ──ネットワークの動作をリアルタイムで監視する
- アンチフィッシング──Webページやメッセンジャーに含まれるURLをチェックし、フィッシングサイトを検出する
- アンチバナー──Webサイトやアプリケーション上に表示されるバナー広告をブロックする
「ファイルアンチウイルス」「メールアンチウイルス」「ウェブアンチウイルス」「メッセンジャーアンチウイルス」では、セキュリティレベルを選択したり、脅威を検出した際の処理方法を指定したりすることが可能。そのほかにも、アプリケーションの動作を監視して、保護レベルの強化に役立てる「システムウォッチャー」や「ヒューリスティック分析」「ぜい弱性に対する攻撃のブロック」といった機能がデフォルトでONになる。さらに、マルウェアによる変更を元に戻せる「ロールバック」機能を備え、必要に応じて自動的に復元が行われる。ロールバックのために保存するデータの容量は、ユーザが任意に指定できるようになっている。
マニュアルスキャンは「完全スキャン」「簡易スキャン」「ぜい弱性スキャン」「オブジェクトスキャン」の4種類。「オブジェクトスキャン」には、ドライブ単位のほか、「マイドキュメント」「メール」という項目があらかじめ設定され、チェックボックスにマークするだけで実行することが可能。システムメモリ、隠しスタートアップオブジェクト、ディスクブートセクタといった項目やインストール済みアプリケーションのスキャンを簡単に行える。セキュリティレベルや脅威検出時の処理、実行スケジュールなどは、各スキャンタイプごとに個別で設定できる。
レポートは「悪意のあるオブジェクト」「アプリケーション」に分類され、検出したマルウェアやぜい弱性の数を確認することが可能。イベント履歴を参照することもできる。クラウドプロテクション機能(デフォルトでON)を使用している場合は、Kaspersky Security Networkに登録しているユーザからの情報にもとづき、最新の脅威にいち早く対応する。
そのほかにも、
- 検出する脅威のタイプや信頼するオブジェクト/アプリケーションの登録
- バッテリー駆動中はスケジュール設定済みのタスクをパスする省電力モード
- パソコンのパフォーマンス低下を防ぐオプション
- ネットワークポートの監視対象を指定
- イベント通知のカスタマイズ
- レポートや隔離オブジェクトの保存期間、容量などを指定
- 全画面モードで動作中にイベント通知などを抑制するゲームモード
- 設定のエクスポート/インポート、初期化(既定値に戻す)
- レスキューディスクの作成
- システム設定の問題点を見つけ出すWindows診断
- Internet Explorer設定診断
- 操作履歴、キャッシュ、Cookieなどを消去するプライバシークリーナー
- キーロガーなどによる情報漏洩を防ぐセキュリティキーボード
- ガジェットやコンテキスト(右クリック)メニューからのオブジェクトスキャン
など、多数の設定項目や便利な機能が用意されている。