電力消費を抑える意味でも、パソコンのスリープ機能は積極的に利用したいものだが、「マニュアル操作と時間指定によるスリープだけではいささか不便」ということも多い。例えば、動画の視聴中やエンコード中、大容量ファイルの転送中、3D CGのレンダリング中などでは、ユーザが特に操作を行っていなくても、パソコン自体は処理を継続しており、そこで強制的にスリープに入られてしまうのは困りものだ。そこで「SleepTool」では、まず基本となる移行条件に、ユーザによる操作だけでなく、CPU使用率やディスクアクセスなども含め、条件が満たされた場合にスリープモードに移行する。「スリープの抑止」という面から見ると、むしろ「積極的にスリープを利用することを前提とした上で、例外設定を行うためのソフト」といえる。
パソコンの初心者向けとしては、キー入力やマウス操作の停止後××分という指定がわかりやすいし、少し詳しくなれば、CPUの使用率やネットワークトラフィックなどを参考にした設定も行える。さらには、実行中のプロセスを監視して制御するというように、作業内容やユーザのスキルに応じてさまざまな使いこなしができるのは大きな魅力だ。
「節電を心がける一方で、作業効率や使い勝手とのバランスも気になる」方にお勧めしたい。
(福住 護)