「SleepTool」開発のきっかけは、パソコンのスリープ時(S3モード)の消費電力が休止状態や電源OFFの状態とほとんど同じであるということを、ワットチェッカを使って実際に確認したことにあります。このことから、Windowsをスリープ運用することで、「いちいち電源を立ち上げて、Windowsの起動完了まで待つ」といった煩わしさから解放され、また、こまめにスリープモードに移行させることで、シャットダウン方式の運用方法よりも節電になるのではないかと考えました。最近ではスマートフォンやiPadなどがこの方式ですが、実際にWindowsでこのような運用をしようとすると問題にぶち当たります。Windowsの標準機能では、スリープ設定をしていてもなかなかスリープに移行しなかったり、逆に作業中なのにスリープに移行してしまったりで、満足のゆく結果にはならない場合があります。
このことから、スリープ運用を補助するツールを作ろうと思い立ち、作成に至りました。実際には、最初のVer.1.0.0を公開する1年前くらいから自分自身では使っていたのですが、昨今の情勢から、PCの節電運用のために役立てばと思い、Vectorでの公開を決意しました。
私自身が「SleepTool」の愛用者ですので、作者が必要であると思う機能はどんどん追加しました。また、現在まで利用者のみなさまからいただいた要望についてもいくつか盛り込んでおり、Ver.3.1では当初、あればいいなと思っていた機能は、すべての実装が完了しています。今後のバージョンアップでは、特にアイデアはありませんが、より便利になりそうな機能に関するご要望があれば、実装していきたいと思います。
最後に、本ソフトはスマートフォンやタブレットPCのように、快適にパソコンを運用しつつ、節電したいと考える方、スリープについて詳細な設定をしたいと考える方にお勧めします。ただ、設定項目の多さからちょっとハードルが高いと感じられる場合や、わかりにくいと感じられる場合もあると思います。最新バージョンからは、起動直後は簡単モードとなるようにしましたので、まずはそちらから試していただき、より高機能なものを試す場合は詳細モードを選択していただければと思います。
(佐藤 智和)