プレイヤーが独自の路線や車両を作ることも可能な、リアリティ溢れる3D列車運転シミュレーションゲーム。「Bve trainsim」は、運転席からの前方風景を見ながら、列車の運転操作を行えるシミュレータ。列車の操作方法や車体の動きなどがリアルに再現され、実際に近い運転環境を体験することができる。用意されたデータで列車運転を楽しめるのはもちろん、風景情報を含む路線データや、さまざまな性能の車両データなどをプレイヤーが自作することも可能。インターネット上で数多くの路線・車両データが公開されている。
列車の操作は、マスコン(マスターコントローラ)とブレーキで行う、実車に即したもの。マスコンとブレーキとが一体化したワンハンドルマスコンもあるが、もちろんそうした車両にも対応する。画面下部には速度計、ブレーキ圧/空気圧計、電流計などのメーター類も並ぶ。メーター類も実車に即したもので、きわめてリアルだ。
操作方法だけでなく、運転操作で生じる車体の動きもリアリティが追求されている。例えば、車両を加速する際に使用するマスコンのノッチ(自動車でいうアクセルの踏み加減)の段数とそれによる加速性能、ノッチ0状態(惰行状態)での速度の低下具合、ブレーキノッチの段数と減速性能など、さまざまなパラメータにより、リアルな運転を楽しめるようになっている。走行時には車両の走行音が流れる。ブレーキ緩解時には空気排出音、各種信号音なども流れ、あたかも本当に自分で列車を運転しているかのような気分に浸ることができる。
シミュレータならではの補助表示もある。本物の列車であれば、レバーや各種表示ランプなどで現在のノッチ位置やスイッチ方向などがわかるが、シミュレータ画面上では表示されない。そのため補助表示として、ディレクション、ノッチ段数や速度、ブレーキ強度などが用意され(非表示にすることも可能)、プレイヤーの理解を助けてくれる。ユニークなところでは、車内(客室内)に立っている乗客のグラフィックを表示する機能もある。急発進や急制動など、強い加重がかかった状態ではグラフィックが“よろめく”ようになり、適正な運転操作が行われているかどうかを視覚的に確認できる。
路線データも詳細だ。線路は平坦線だけでなく、起伏も表現され、さらにカーブ内側に車体が傾く「カント」も表現される。線路周辺の建物類(ストラクチャ)では、架線柱や信号、駅のホームや周辺のビル類、樹木など、さまざまなものが配置されている。複線区間では、対向列車も走行する。
路線データには、どのように列車を運行するかを決める「シナリオ」が定義されている。「シナリオに従って列車を運行する」のが「Bve trainsim」の基本的な楽しみ方だ。
路線データや車両データ、シナリオなどは、配布アーカイブに同梱されるもののほか、さまざまなファイルがインターネット上で公開されている。データ構造が公開され、データさえ用意すれば、プレイヤー自らが新しい車両や新しい路線を定義できるようになっている。