“定番”高機能デフラグソフト「Diskeeper」シリーズの新バージョン。ユーザインタフェースが一新され、ディスクの状態や改善の効果などがさらにわかりやすくなった。「Diskeeper」は、ディスクドライブの性能を低下させる断片化(フラグメンテーション)を解消し、ディスク本来の性能を発揮させる最適化ソフト。バックグラウンドでの自動処理により、ユーザの作業を邪魔することなく、ディスクを常に快適な状態に保ってくれる。新バージョン「12」では、インタフェースがまったく新しいものになったほか、ハードディスクをモニタして異状を教えてくれる「ディスクヘルス」機能、システムの起動時間を改善する「HyperBootテクノロジー」などが追加された。「Professional」のほかに「Home」「Server」の各エディションがある。
最適化(デフラグ)の作業は、
- すでに発生している断片化の解消
- 断片化の発生そのものを抑える予防的な措置
の二つに大きく分けられる。「断片化の解消」にあたるのは、ディスクの分析と分析結果にもとづいたデフラグ、デフラグ作業をスケジュール化する自動デフラグなど。「予防的な措置」では、断片化の発生を抑止する「IntelliWrite」と、それでも発生してしまう断片化を即座に解消する「Instant Defrag」の各機能が該当する。デフラグの作業自体を減らすことができ、デフラグ実行中の処理速度低下の軽減やバッテリー消費の改善にもつながる。さらに、ファイルのアクセス状況を分析し、より効率的に最適化できる「I-FAAST」と組み合わせることで、より高いパフォーマンスを発揮する。メイン画面(ホーム)には、
- ボリュームパフォーマンスの通知
- ディスクヘルスの通知
- 防止および解消された断片数
- Diskeeperが使用するリソース
- 設定に関する通知
の各項目が大きめのボタンで表示され、最適化を実行したり、レポートを閲覧したり、設定画面を呼び出したりできるようになっている(画面上部のメニューからも同様の操作を行える)。《ホーム画面に表示される情報と呼び出せる機能》
(1)ボリュームパフォーマンスの通知
パソコン全体の断片化状況を「正常」「警告」「危機」の三段階で表示する。クリックすると、ディスクの分析や最適化を実行できる。分析結果は、ファイルの配置状態を示す「ボリュームマップ」のほか、断片化しているファイル数などの「統計情報」、「最も断片化したファイル」の一覧、「アクセス時間(断片化ファイルの読み取りに必要な時間と最適化後の時間の比較)」などからなる「ボリュームの詳細」に表示される。
(2)ディスクヘルスの通知
ディスクの健康状態(エラーの発生状況など)を「正常」「警告」「危機」の三段階で通知してくれる。ディスクのモデル名やシリアル番号、ファームウェアなどの「ディスクの情報」、S.M.A.R.T.の測定値読み込みエラー率やスピンアップ時間、ハードディスク温度などの具体的なデータ「S.M.A.R.T.の詳細」も確認できる。
(3)防止および解消された断片数
「IntelliWrite」「Instant Defrag」によって防止・解消された断片の数を確認できる。
(4)Diskeeperが使用するリソース
自動デフラグ中などに「Diskeeper」が使用しているリソースをリアルタイムに表示する。
(5)設定に関する通知
「基本設定」画面を呼び出す。
このうち(2)ディスクヘルスの通知、(3)防止および解消された断片数、(4)Diskeeperが使用するリソースは「レポート」機能の一部。レポート機能全体は「ボリューム」「システム」「ディスクヘルス」に分けられている。
「ボリューム」に関するレポート
「ボリュームパフォーマンスの通知」画面を呼び出して、分析とデフラグを実行できるほか、「パフォーマンスヒストリーレポート」では、アクセス時間の改善度や削減されたディスクアクセスの累計などがわかる。「システム」に関するレポート
IntelliWrite、Instant Defrag、自動デフラグのそれぞれが処理した断片数や最近デフラグされたファイル、ディスクアクセスの削減数、CPUの平均使用率が高いプロセス、最もリソースを使用したファイルの種類などの統計情報を確認できる。「ディスクヘルス」に関するレポート
「システム」に関するレポート同様、ディスクごとの状態が表示される。発生したアラートの履歴や内容を確認することも可能。レポートには対象期間を指定できるものもある。過去7日間から12ヵ月まで、6段階から選択できる。
設定画面も「ボリューム」「システム」「ディスクヘルス」に分けられ、それぞれに基本設定と詳細設定とがある。
「ボリューム」関連の主な設定項目
基本設定では、IntelliWriteや自動デフラグをボリュームごとに指定できる。詳細設定では、自動デフラグのスケジュール登録や、SSDを正しく認識できなかった場合の設定などを行える。「システム」関連の主な設定項目
基本設定では、新しいボリュームが検出された場合、IntelliWriteや自動デフラグをONにするかどうかを指定したり、バッテリー駆動中に自動デフラグを無効にしたりすることができる。詳細設定では、自動デフラグ/マニュアルデフラグのそれぞれの実行モードを設定したり、デフラグ対象から除外するファイルを登録したりできる。「ディスクヘルス」関連の主な設定項目
基本設定では、監視対象のディスクを指定できる。詳細設定では、監視するディスクの属性(温度やエラーの発生状態など)の選択やアラートの生成方法、電子メールでの通知などを設定できる。